小運動会ＤＶＤ

こいちゃんの通う幼稚園で「小運動会」と「プール」の様子をプロのカメラマンが撮影し、ＤＶＤにして２２００円で販売していたので購入した。
それを先日通園カバンに入れて持ち帰ってきたのでワクワクしながら再生。
NAくんママの話で「ちょっとしか出てないから、ちょっと高い感じがするよ」と言われていた通り、年長さんは出し物も多くて大写しにされることはあっても、年少で一番端に並んでいるひよこ組のこいちゃんはなかなか写してもらえない。
想像はしていたので「まぁ、こんなもんだろうな～」とぼやきつつ、こいちゃんいっくんと気を抜いて画面を眺めていると思いがけずこいちゃんがうつったりして油断出来ない。

関係ないシーンを早送りで飛ばしていると、こいちゃんが怒り出した。
友達を見つけて喜んでいたこいちゃんは「今、TAちゃんが写っていたのに！」と早送りにされ、音声も出てこない画面に腹を立て、私に文句を言った。
しばらく年長さんの競技などを飛ばしていると、見慣れた園児が徒競走。
見ると走っている最中に靴が脱げたこいちゃんが、先生達に声をかけながらコース内で慌てて靴を履いている。
すでに他の児童は次々にゴールテープを切っていて、こいちゃんがビリ。
突然のアクシデントにこいちゃんの前を走っていた心優しき男の子が心配そうにこいちゃんを見守るが、こいちゃんは靴を履くが早いが、その男の子をめがけてラストスパート。
結局、躊躇する男の子を抜きつつゴールしてしまったのだから、こいちゃんもなかなか無情である。

「……」つい言葉すくなになる私の前でこいちゃんは小運動会の興奮を思い出したのか嬉しそうにはしゃいでいる。
園の外から様子を見に行った知人に後で聞いたところ、靴が脱げてしまったこいちゃんを取り巻く先生のあわてっぷりが見事だったとか。
それからもこいちゃんは度々画面に写り、握り拳にした両手を振り回しながら大袈裟にはしゃぐシーンが長々と写されたりして、同じバス仲間のかSOくんママにも「こいちゃんちゃん、元気にはしゃいでる姿が沢山写っていたよ～」と言われた。
こいちゃんの底抜けのテンションはいかにこの小運動会を楽しんでいたかを伺わせてこちらも楽しかった。

中にはカメラにも気づかず一生懸命鼻をいじり、口に運ぶシーンなどを納められている男の子や、間抜けな姿で友達とふざける子などもいて『これを希望者だけとはいえ、何百人と言うみんなに配られたと思うと、母親は堪らないだろうな～』と苦笑する様な場面もあった。
年中さん中心のＤＶＤではあったが、普段の様子が判りとても楽しく感じた。
しばらく見ていると７月に行われたプール開きの様子が映し出された。

ここからは組によってばらばらに編集されているため、こいちゃんのいるひよこ組だけのプール映像となる。
まとめた髪に可愛らしい髪留めを３つも付けたこいちゃんはニッセンカタログで購入したピンクのスカート付き水着を着用して水の冷たさにはしゃぎ笑いながらプールに入っていく。
友達と水をかけ合い、先生の号令でゲームをしたりして始終笑顔で水と戯れるこいちゃんは無邪気で、またしても幼稚園でも自然な梢を見られたことに大感激であった。

そして、先生からカラフルな水鉄砲が配られ、普段そんな物を使ったことのないこいちゃんは大喜び。
先生が水鉄砲を持った園児達にホースで水をかけ、みんなは叫びながら逃げ回っているのに、こいちゃんは頭からかけられる水をものともせず、そんなことよりも必死で水鉄砲をいじっていた。
「こいちゃんちゃん、楽しかったんだね～」と笑顔でこいちゃんに話かけ、楽しくＤＶＤを見ていたが、出し抜けにこいちゃんが大写しになり画面に釘付けになった。
こいちゃんは渡されていた水鉄砲がよほど不思議だったのか（？）可愛かったのか、その水鉄砲を舐めていた。
そのシーンは私にとってはずいぶん長く感じたのだ。
『これがひよこ組のみんなに配られたのか？』と少々引きつりながらこいちゃんを見ると「へへへへ…」とおどけて笑った。
やはり本人もかなり恥ずかしい気分になったらしい。

子供はなぜ興味あるものを舐めてしまうのだろう。
運動会のシーンで自分の鼻に入れた指を口に持っていった子もきっと同じような興味からだったのかもしれない。
やはり他人を笑ってはいかん。
「こんなことしないようにね」とこいちゃんに教えてみたが、このＤＶＤは沢山の人が見て笑っているのだろう。
『目くそ鼻くそを笑う』『どんぐりの背比べ』頭の中を回ることわざ達に心から頷いた今日このごろだ。