いっくんは普段あまり泣かない。
幼稚園までは普通に泣いていたが、小学校に入ってからは人前で悲しくなっても我慢するようになった。
それでも家で私が叱った時には泣いたりすることがある。
そんないっくんが自分が泣いてしまう理由を、ある時私と二人でいる時に突然説明し始めた。
「・・・悲しいことを聞くと涙の爆弾が頭のなかに入ってくるねん。
爆弾が爆発するとき頭がちょっと震えて爆風が涙の袋に当たって涙が出てくる。涙の袋は目の上にあるから。
先生に怒られた時は悲しい手裏剣がとんできて涙の袋を突き破って涙が出てくる。」
って、どんな表現だ!
本当にそんなふうに思っているのだろうか?
涙が出てくる一瞬の事をそんな風に感じていたなんて・・・しかも叱る相手によって出方が違う・・・。
何とも不思議ないっくんなのである。