伴侶が庭に置いてあった水がめの氷を子供たちに見せると、そんなことでも大喜び。
嬉しそうに氷にはしゃぎ、「型に入れて凍らせてみたい」とさらなる工夫を凝らそうと頭を捻るこいちゃんに対し、クラッシャーいっくんは氷を砕いて喜んでいた。
小さな氷にはしゃいでいる子供たちを見ていると不憫で不憫で……と、言うわけではないが、雪を求めて一路京都へ。
途中、イズミヤに寄り「雪の上や、砂の上を滑れる」小さなタイプのソリを購入。
天気がよかったが、京都に入るとすぐに雪がちらつき、白い雪の積もった山々が目に飛び込んでくる。
そんな景色に子供たちは奇声を発しながら「早く着きたい」と私たちを急かす。
途中のコンビにで止まり、食事を摂ってから駐車場付近にある雪で、なんとかソリの出番である。
雪がないのではないかと心配したが、道路わきの路地などにはかなりの雪があり、子供たちは服をびしょびしょに濡らしてソリを楽しんだ。
無鉄砲ないっくんはとにかく服が無茶苦茶だし、つるつる勢いよくすべるソリにこいちゃんは怖がってきゃぁきゃぁ叫ぶ。
こんな省スペースでおおはしゃぎできるのだから、やはりまだまだ幼稚園児である。
びしょびしょのズボンはパンツごと脱がせてヴォクシーのヒーターでがんがん乾かす。
車のコックピットがこいちゃんといっくんのパンツやソックスやズボンで埋る、不思議な帰り道。
伴侶はいっくんのソックスをすっぽりかぶせられたギアをドライブに入れながら、三千院の雪景色をしげしげ眺め、実に懐かしそうな目をしていた。
楽しかったかと子供たちに尋ねると、こいちゃんは素直に「楽しかった!…けど、次はここで温泉入って寝たい」といい、ひねくれいっくんは「いっくんはねぇ、さむいのはきらいだからねぇ」とそっけない返事。
「じゃぁ、もういかない?」と聞くと「いく…」だと。
子供たちのわがままを叶える為に、伴侶はひたすら雪道を走る。
私も便乗して子供たちとわがままをいいながら、それでも「今が一番楽しいだろう」と押し付けがましく思ってみたりするのだった。