夏休み前、こいちゃんが学校から間引かれたへちまの苗を持って帰っていた。
へちまは我が家の畑を占領しつつ、一雨ごとに大きくなり、とうとう大きな実をつけ始めた。
沢山実がついたのだが、その中でもこれが特大へちま。
500MLのペットボトルより大きくなり、迫力満点である。
これでたわしを作ればさぞかし沢山のたわしが取れるのでは?
しかし、子供の頃祖母が作ってくれたへちまはもっと、もっと大きくて重かった。
今となっては忘れてしまっているが、きっとこのへちまよりものびのびと大きく立派だったのではないだろうか。
それを土間(キッチンのこと)に集まり、へちま水と言う化粧水などを作ったのも覚えている。
沢山のへちまから、ほんの少しのへちま水しか取れず、子供心に「へちまって、貴重なんだ!」とぼんやり思ったものだ。
狭い土地、さぼる水やり、乏しい知識。
何もかも、祖母には手が届かないわけで・・・。
へちまを見るとそんなことを思い出したりするのであった。