もちろん皆行くのは初めてである。
まだくらいうちに子供達を起こし、7時ごろに家を出た。
子供達は何処に行くのか判っておらず「いちば」と聞いても全く想像がつかない。
市場は広く、そこが市場の中とは思えないほど、バイクやトラックが縦横無尽に行き交い、忙しそうな声が響き渡る。
と、市場の雰囲気を楽しんでいる。
何しろスケールが違う。
マグロはジオラマの山々のように大きなまな板にゴロゴロと置かれている。
もちろん食べられない個所だからカットしているのであるが、「あれ一切れでマグロどんぶり出来るな…」などと考えてしまう。
初めての市場だから、とカメラとDVDカムで撮影をしていると、業者の皆さんは少々テレ気味に、しかし、嬉しそうに笑っていた。
お買い物の時間はすぐに過ぎた。
皆で会場に戻り、暖かい室内にほっと一息である。目の前で魚屋さんが質問に答えながら、マグロの解体を行う。
日本刀さながらの包丁で行う解体は子供達は最前列に呼ばれ目の前で見せてもらえるのだ。
そしていよいよお楽しみの「大抽選会」が始まる。
細かい数は忘れてしまったが、ビールセットが60名、鮭が20名、塩数の子が10名、メロン20名、そしてマグロ60名など、大漁のプレゼントが待っている。
とは言え、会場には400人近い人たちが集まっている。
確立としては結構厳しい…。
私達は6人できていたので、何とか当たって欲しいところ。
私もわくわくしながら自分の番号が呼ばれるのをまったが、結局最後まで呼ばれることはなく、当たったのは私と伴侶(いっくんと券を交換してあげたらしいのだ)以外の4人…。
マグロ(1パックに300g入っていた)が2パック、メロンが2個あたったのだ。
遠い田舎からきた母と父は司会者に「手を上げてください」とインタビューまで受け、マグロの袋を受け取った際には「当たってよかったです!」と言われていた。
田舎から出てきて手ぶらでは寂しいと言うものだ。
始めいっくんのメロンが一番に当たった際、悔しいこいちゃんが会場に響く声で鳴き始めた。
たっぷり笑って会場を後にし、大盛況のうちに終了。
ほくほく顔で、市場内にある食堂に入ると、低価格なのにものすごい量のご飯とおかずが出てきてご飯を減らしてもらう一幕も。
サラリーマンでは考えられない量であった。
帰宅して買ったものや、プレゼントを食卓に広げるとじつに豪華に。
いつもなら遠慮してしまういくらも大胆にご飯にかけてたっぷりと頬張ると、幸せいっぱいになった。
母があげてくれたエビフライは食べても食べてもなくならず、皆大喜びである。
何しろ海老を箱買いしたのは後にも先にもこのときくらいではないだろうか…。
やはり幸せは食からやってくる。
「市場」と言う職場にお邪魔させていただくわけだから、邪魔にならないように…と気を使ったが、業者の皆さん、非常に気さくで生き生きと仕事をしておられ、そこを買い物して歩くのは実に楽しく、珍しい体験にであった。
またこんな機会があればぜひ行きたいものである。