ちょっとした遊びや食事を用意してくれており、なかなか楽しいところらしいのだが、なんといっても社交的な祖母が楽しく過ごせるのは友人との交流だろう。
先日、実家の近所のミカン畑である土地を所有するおばあさんと会話が弾み、父にミカンを収穫して(もらって)ほしいと頼まれたらしい。
出来れば父にミカンの面倒も見て欲しいとのことらしく、梢と樹を連れてみんなで見に行ってみた。
実家の窓から見えるほど近いのだが少々山に分け入るため、一旦入ってしまうと隠れ家的な雰囲気の場所になる。
急斜面のミカン畑では収穫はおろか、普通に歩くのも結構苦労する。
そのためこいちゃんといっくんは普通に立ってミカンをひっぱるのが精一杯。
手にしていたバケツまで意識が行かず、せっかくミカンでいっぱいになったバケツを倒してしまい、ミカンが下まで落ちていく事数回。
そのたびに「誰かとめてぇ~!」と転がりつづけるミカンに向かってこいちゃんは必死に叫ぶのだ。
その声は山にこだまし、村中に響き渡るため、近所中の人間が私たちの帰省を知ることとなるのだ。
子供たちはミカン狩りに飽きると木登りを始めた。
時折足を滑らせてひやりとさせられたり、大胆に枝にぶら下がってみたりと、木登りは飽きることが無い。
「さる」といわれると嫌がるはずのいっくんもこの時ばかりは「さるが2ひき~」とおどけて、木登りを楽しんだ。
ミカンの樹形は子供たちにやさしく、簡単に登れるため、大いに気に入った二人はいつまでもそこから離れようとしなかった。
独特な雰囲気をもつ地形と、ミカンの木になついた二人は、しばしの外出から戻るとすぐ、木登りに行きたがったのである。
そこでピクニックを提案し、お菓子や飲み物を持って再度「ミカン山」に。
母はみんなの為に珈琲を持ってきてくれて、スローな時間を楽しむこととなった。
珍しく暖かい日で、春を思わせるほどの日差しの中、遊び疲れ、ミカンの木の下でお菓子を頬張る子供たち。
実はこいちゃんといっくんの名前にはそれぞれ「木」の文字が入っている。
一方はしなやかに、一方はどっしりと構えて、と様々な思いはこもっているが、木の持つ暖かさを心に持って育って欲しい強い願いがあるとも言える。
美しく枝を伸ばし実を付ける木々の下で、のびのびと過ごす無邪気な子供たちを眺めていると、なお一層、そう願わずにいられないのである。
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