この日を待ちわび、何ヶ月も前から「もう少しで7歳!」を繰り返していたのは、こいちゃんにとって特別な意味があるからだ。
食の細かったこいちゃんに、チョコレートや飴、ドきつい添加物や着色料の入った食品をあげなかった変わりに、出来るだけ手作り品やそれに代わるお菓子を買い与えて育てた。
物が無かった時代に育ったお年よりや、親類などには
「沢山食べる物があるのに、可哀想。大きくなれないよ」と言われたが、
「今の時代は逆に制限しないと病気になるから」と繰り返していた私である。
危惧された成長は、おかげさまでクラスの真中より後ろで、ホッと一安心である。
7歳迄は、特に睡眠や食事を気をつけるべき、「骨や体の基礎が出来上がる年齢」と聞いたことがある。
だから、7歳になると言うことは、飴やチョコレートなどの駄菓子が一切解禁になると言うことで、こいちゃんはこの日をずっと待っていたのだ。
これで以前からこいちゃんが食べたがっていたハイチューや、ポッキーなども思うままである。
まだ5歳のいっくんもこの日ばかりは特別にこれを食べられる事に目をまん丸にして喜んだ。
カメラが回ると、いっくんは「お姉ちゃん、誕生日おめでとう」とこいちゃんのほっぺにキスをした。
こいちゃんは文字通り7歳をかみ締める…。
ヤケドをしないように気をつけながらちょっと早い花火を楽しんだ。
嬉しそうに花火をする二人を見て、しみじみと
「生まれてくれて、ありがとう…」と感謝。
と同時に、普段は怒ってばかりで怖い私がこうして一年に一度(?)子供の生誕に感謝できる「誕生日」と言う日があることにも、大きな感謝をしたのである。