幼稚園では完全にお遊びで、とくに気にしていなかったプールのことである。
小学生は泳げなければならない、と言うことがこいちゃんにはプレッシャーだったようで、
「こいちゃんだけ泳げなかったらどうしよう…」と、今から不安げである。
そして、近所のお友達が皆スイミングスクールに通っていることから、こいちゃん自ら
「スイミングに行きたい」といい始めた。
自分から「やりたい」と言い始めたときが一番いいタイミングかもしれない、とすぐに「体験コース」に入れてみることに。
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「赤帽子」と言って、初歩の初歩、顔をつけるところから始めるのである。
着替えだけ手伝って更衣室を出て、2階から見ていると、こいちゃんがプールサイドに現れた。
一人違う水着を着て、ちょっとおどおどしているかとも思ったが、すぐにいつもの調子になり、プールを楽しみはじめた。
顔をつけたり、バタ足や耳まで浸かってみたり、とちょっとずつ水に慣れていき、しばらくすると沈んだ「輪」をもぐって取ったり、ちょっとずつハードになっていくようだ。
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3回目の体験、全て終わったこいちゃんは疲れた顔で出てきて、
「楽しかった~…けど、どうしよっかなぁ…別に通わなくても小学校で習ってるだけで泳げるようになりそうだった…」と大きな事を言った。
さて、そんなこいちゃんを見ていたいっくん…と思っていたのは私だけで、いっくんが必死に見ていたのは、お隣で行われていた「体操」教室であった。
楽しそうなこいちゃんにつられていっくんもするかな…と考えていた私が
「いっくんも、プールする?」と聞いてみるとあっさり
「いっくん、これがしたい!」と体操教室を指差した。
がくり…別に小学校で絶対必要ってわけじゃないよね…。
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5歳は「幼児クラス」になる為、簡単な内容である。
マットレスの上を片足で飛んだり転んだり、鉄棒にぶら下がったり、前回りしたり、と多分幼稚園児なら殆どの子が出来るだろう内容であった。
いっくんも毎日の外遊びのお陰か回りの子供と変わらず安定したバランス感覚で、「出来る!」事にとても嬉しそうである。
問題は、先生の話を体躯座りでまじめに聞き、列に並び、リズム良く動くことである。
うちのいっくんをはじめ、幼稚園で、しかも男の子はじっと座れない子が多く容赦ない先生の激が飛ぶ。
「こらー!座れ!!ちゃんと並べ!」と結構怖い。
この怒声を聞いて
「もしかしていっくんにはいいかも!?」と思ってしまったのは私だけだろうか??
怒声に負けずに回りの子とふざけつつも、親以外の人に真剣に怒鳴らると言うのは、中々出来ない体験である。
1時間はあっと言う間に過ぎ、最後は皆勤賞の子供達にお菓子と賞状のプレゼントが配られる。
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「楽しかった!」と言った。
もう充分?と思っていた私が念のため
「どう?続けたい?」と聞くと
「え?うん?(当たり前じゃん、と言う表情)」と私を見返した。
どうやら「お試し」の意味はよく判っておらず、もう通うものだと思っていたようである。
「頑張って続けたらお菓子もらえるねん!」と言うので
「お菓子が目当てなら、さっきのと同じくらい沢山買ってあげる。だから体操はしなくていいよね?」と聞くと
「じゃぁ、お菓子いらない。体操したい」とキッパリ。
「どうしよっかなぁ~…けど、やっといた方がいいよねぇ…」と迷いをぬぐえないこいちゃんに、
「楽しかった~、また行く~、お菓子もらえるし~(結局ずっと言っていた)」と大喜びのいっくん。
長く、同じ事を続けることはとても大切だと思うし、それが持久力や忍耐につながることはハッキリ判っている。
が、この時期の習い事は「つまみ食い」でいいのではないかと私は思っている。
大人にすら子供の無限の可能性を把握できないのに、子供が自分の可能性を捜し求めて歩き回るのは当然で、自分達の可能性を「楽しむ旅」の途中である。
きっと色々手を出すうちに、自分の好きなものを自覚して打ち込むようになるだろう。
今は、色々させてみよう。
「続けてみたら?」と相談に乗ったり説得するのは、それからでも遅くないと思うのだ。