最近、書くことがたまってしまって4月の事に遡るのだが・・・・
ご近所の桜が切られることが判った。
樹齢50年と言われる桜だが、所有者のご夫婦が高齢と言う事で同じ敷地内に平屋を建て増しすることになったためだ。
それに伴い、庭に植えられていた様々な木々がやむなく切られることとなったのだ。
木々が多ければ、それに伴い落ち葉もある。
加えて、そこから育つ蚊も勿論多く、悩まされてきたとは思うが、それでも春に一度美しい花をつけてくれる桜を私たちは楽しみにしていたのだ。
桜が切られてしまう事を知り、私たちは大変残念がったが、そのご家庭の事情なので仕方ない。
せめて最後に・・・と家主の許可を得て、写真を撮ったり、その桜の下でお菓子を食べたりと、ささやかな花見のお別れをした。
「桜も喜んでくれてると思うわ」と家主の方が寂しそうに言うのを聞いて、こちらも切ない気分になった。
こいちゃんは「抜いてから、根っこをうちに貰えば!?」と無茶なお願いをした。
いっくんは「せめて捨てる前に枝を全部貰おう!」と、これまた無茶な要望を・・・
樹齢50年の桜は、まさに大木で、うちでどうこうできる代物ではない。
自分が切られる運命を知らない桜の花。
もしかしたら、50年も生きていたら、人間の言葉も少しは判っていて、人知れず涙を流しているかもしれない。
例年よりもずいぶん儚く見える桜を、特別な気持ちで眺めたのだった。