台風一家

結婚記念日

私は結婚記念日を毎年忘れっぱなしで伴侶も呆れ顔。
今年こそは私もしっかり結婚記念日を覚えておいて、プレゼントなどして脅かそうと思っていた。
10月ごろからせっせと粘土をこねて、今年はアロマポットを作ったのだ。
すっかり嬉しい気持ちで、あっという間に過ぎた2ヶ月。

…忙しすぎたのだ。きっと…。

その日、伴侶は何故か「早く帰れるから外食に行こう」とメールしてきた。
私は朝からミニチュアやら子供の勉強やらでばたばたしており、
「へぇ、平日に珍しい」と思いつつ了解。
その後、「荷物が届くから受け取って」とメールが。
夕方頃届いた荷物は伴侶の仕事の関係の方からだったのだが、伴侶はすっかり自分からの荷物だと思い、
「俺からのプレゼント」とメールしてきたではないか。
先に「プレゼントを贈った」ことがネタバレしてしまった伴侶だが、私は
「急にプレゼントなんて、どーしたのかなぁ…。なんか良いことあったんだねー」位に考えた。
そう、数々のヒントを貰いつつ、私は全くその日がどんな日であるかに気づかない。
私が思い出すまで絶対に教えてくれないのだから伴侶も人が悪い…。

外が真っ暗になった頃届いた荷物は私宛。
群がる子供たちを押しのけ封を開けると中から可愛らしい花が!
「すごいー!!」と大興奮の子供たちに囲まれながら、それでも私は
「すごーい!?なんでー!?」とニッコニコ。

が、その笑顔はその時までで、添えられたメッセージカードを見て凍り付いてしまった。
そう、結婚記念日だったのだ…。

何で、ここまでヒントがありながら、どうして今まで気づかなかったのかと言うことが本当に不思議に思えた。
「わたし、だいじょうぶ?」
真剣にびっくりしてしまったのと同時に、色々考えてくれていた伴侶に申し訳ないのなんのって…。
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