録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX創刊

2016-07-18 20:40:33 | 特撮・モンスター映画
4Kリマスター版~と、言ってもそれを2Kの、それも1440x1080にダウンコンバートしたもの~の「キングコング対ゴジラ」が日本映画専門チャンネルで放送されていたので録画視聴しました。今までの「キングコング対ゴジラ」はすべて別のポジやネガを継ぎ接ぎした復元版ばかりだったので、途中でどの場面で画面の色が変わったりブレたりするか体がある程度覚えていたので、そこで色味が変わらないことに、普通は感動するのでしょうがわたしの場合はかえって困惑。むしろ集中して見ればわずかながらブレが感じられる箇所を見つけた時の方がかえって安心できたりしてます。映像よりもリスペアされた音が良かったなぁ。ウチのPCのしょぼいスピーカーでもさらに外から聞こえてくるような音の色狩り、過去のバージョンに感じたBGMとセリフや効果音の剥離がほとんど感じられず、やっと一つの同じ映画を構成する音の仲間、として感じ取れたのが今回最大の好感触でした。
それにしても、これだけのリマスターが可能なマスターが存在するのなら、なんでBDでは米国版のネガやDVDからのアップコンバートで補填した版を発売したのでしょうか。一説によるとBD化しようとしたらまた以前同様、"チャンピオン祭り"用短縮版を作るときに切ってしまったオリジナルネガを紛失したのでやむを得ず・・・ということなのですが、ちゃんと存在したことは今回の4K化で証明されました。ゴジラのBD化は一度中断され、2年前のアメリカ版に合わせる形でやっとシリーズ化が再開されたのですが、結局「キングコング対ゴジラ」はそうした不完全なものしか発売されなかったわけです。4K化できるネガがあるのなら、その不完全版を買った購入者は損した、と言っても言い過ぎではないでしょう。「もうオリジナルネガは今度こそなくなった」と思ったからこそ半分あきらめて買ったわけで・・・。もう元データに困る必要はない、と喜びたいところですが、裏切られた気分半分で素直に喜べません。もちろん状態の違うネガを自然な色にすべく補正を行ったり、一部完全紛失したり修正が難しかったコマをデジタル技術で再生させたりとものすごい苦労をしたのは分かりますが、どうもその作業をやっていたためにBD版にネガを回せず、間に合わせ版を販売することになったのではないか、と疑いたくなります。たった2年なんですから、待たせても良かったと思うのですが。


特に書くネタもないため、しばらく何か書いたら特撮ネタになります。まぁわたしの趣味ですから勘弁してください。
ウルトラマン50周年、ゴジラ新作発表と集中的に来たせいか、関連図書の販売がかなり多数にわたっています。過去の焼き直しも少なからず存在するようですが、やはり可能な限りねを通しておきたいもの。ですが、最近近所の本屋がほとんど閉店してしまっていて、購入が難しくなってしまいました。仕方なくAmazonで頼んでいるのですが、なんとなく寂しいんですよ。自分の目で見て、空気を感じ取って本を選びたい。たとえ結局みんな買うにしても、ですけどね。
というわけで通販で買ったうち、雑誌形式のこの2冊だけちょっと紹介

ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX(1) 2016年 7/26 号
講談社
講談社


と、一発目から書籍とは言い難いものなんですが・・・。最近よくあるDVDマガジンもので、隔週刊でゴジラ関連の映画映像のDVDがつくというもの。と、言うと数年前まで刊行されていた東宝特撮DVDコレクションが思いだされます。実際ゴジラ映画および怪獣映画だけ見ればほとんど映像はダブります。わたし、そっちを含めればゴジラ映画のDVDは2セット持っていますので中身がそれだけならもう買う必要は全くないのですが、映像特典として毎号「ゴジラアイランド」という昔テレビで放送されていた5分番組が5話収録されているのです。「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹役でおなじみ団時朗が主演で、怪獣シーンのほとんどが玩具(一部映画からの引用シーンあり)で展開するという、まぁある意味どうでもいい番組なんですが、これがオマケでついているというだけで買いたくなってしまったわけです。過去に「ゴジラアイランド」がDVD化されたときは気が付かずに買い忘れましたし、まぁいい機会かな、と。マガジンの内容は、ディアゴスティーニのものと違い、内容の解説などはなく、過去の子供向け雑誌に収録されていた絵物語や、ポスターのような宣材と言ったものを復刻して収録した付録がDVDそのものと並ぶ内容の柱となる模様。これがいつまで続くかわかりませんが、全51巻、それなりに注目し続けたいものです。ディアゴスティーニ版になかった映像としては"東宝チャンピオン祭り"用にカットされた短縮版や、テレビシリーズ「流星人間ゾーン」のうちゴジラやキングギドラが登場する回も収録されるなどなかなか気の利いたものも。ただ、予告の一覧表の43号「GODZILLA2000」だけはいろいろ謎です。登場怪獣を見ると「ゴジラ2000ミレニアム」と同じなのですがこれは31号に収録されますし。ひょっとして海外版? 興味は尽きませんが、登場は2年近く後の話。それまではやきもきさせられそうです。
肝心の中のDVDの映像でしたが、今回は「ゴジラ」第一作。中身はリマスター以前のもので、しかもDVDは片面一層。それに加えてゴジラアイランド分の容量を確保しなければなりませんので画質はそれなり以下。まぁしょうがないと言えばしょうがないのですが。また、ゴジラアイランドも解像度がやたら低く、「見られるからいい」を超えるものではありません。収録されていた翌号「キングコング対ゴジラ」の特報もおそらくはLDからのコピーで、画質はお世辞にもよくありません。そっち専門ではなく総合出版社の講談社ですし、あまり画質にこだわったシリーズにはなりそうにないです。ただ、"キングコング対ゴジラの予告編"ではなく"特報"が収録されているあたり、画質以外の面でのマニアックなこだわりには期待が持てそうです。


東京人 2016年 08 月号 [雑誌]
都市出版
都市出版


発売されてだいぶたちますが、東京人の8月号が特撮特集だったので取り寄せました。最近本屋めぐりもあまりできないので気が付かないのですわ。
特撮と言えば都市破壊、破壊される都市と言えば東京、という組み合わせはほとんど決まり事となっています。特にテレビ特撮は地方ロケを繰り返すスケジュールも予算もそうそう組めませんので、大半を東京近郊で撮影し、東京を舞台とするものに自然となりますからね。そういう関係もあった本誌で紹介されているものの多くはウルトラシリーズなんですが、一部ゴジラ関係もあります。残念なのは「シン・ゴジラ」のインタビュー記事で「スカイツリーは登場しません」と樋口監督に宣言されたこと。今回はゴジラも巨大化しますし、ちょっと期待しただけに残念。
もう一つゴジラ関連として切通理作氏による「『ゴジラ』から始まった。」という評論文が掲載されています。その一文を引用します

"読者の皆さんの中に、昭和二十九年の『ゴジラ』を見た人がもしいたら、あの映画で最後のセリフを言ったのは誰だったか、思いだしてみてほしい。「『七人の侍』『生きる』にも出た名優志村喬演じる博士のセリフでは?」と答える人も多いだろう。
 正解は、海上保安庁巡視船「こうず」乗組員による「敬礼!」という掛け声である。
"

この文、言った人はあってますが、セリフは間違っています。正解は「敬礼!」のあとに発せられる「直れ!」です。多少譲っても「敬礼!直れ!」の一組を持って一つのセリフとすべきでしょう。切通理作氏と言えばゴジラ関係の著書もある人物。それだけの人でも勘違いする、あるいは忘れるほどあの「直れ」は印象ないのでしょうか? 仮にも「ゴジラ」第一作を語る以上、あの「直れ」に含む意味や演出意図くらい考えて当然、とわたしは思っていたのですが、それこそわたしの思い込みだったのでしょうか?

他にももろもろありますので特撮書籍コレクターとしては可能な限り抑えておきたいものですが、どうしても通販と店舗だとテンションが違ってきちゃいます。チェーン店でもいいのでもっと地方都市の旧市街地でも書店が増えてくれないでしょうか? まぁ母方の実家の書店も経営苦しくていつ閉店してもおかしくないらしいですし、もう店主の感性でそろえられた本を目当てに客が少し遠くからでも足を運ぶ時代でもないのでしょうが、なんだかんだ言って電子書籍、なんてのもそこまでうまく行っている感はないですし、店舗が息を吹き返す余地は十分あると思うのですが。

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2 コメント

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Unknown (krmmk3)
2016-07-22 01:36:32
>まじかるぱすさん
ディアゴスティーニ版、最初のうちは出だしに来る宣伝映像がうざったく感じるものでしたね。途中から映画後に回ってほっとしましたが。
ゴジラ1985、モスラ対ゴジラ海外版、過去にソフト化したもので今見られない映像、欲しかったですが、はっきりしているのは「怪獣王ゴジラ」くらいですね。今回のラインナップは映像のDVDと同じくらい当時の宣材や雑誌の記事の復刻と言った付録を重視している印象なので、そっちが用意できない映画は採用されなかったのかも。
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買ってみました (まじかるぱす)
2016-07-20 15:58:08
ディアゴスティーニ版の『ゴジラ』と比べると、メニュー画面が安っぽくなくなってたのと、初回再生時に本編前に強制的に見せられる宣伝映像が長々しくなかったのは好感度が持てました。でも、ディアゴスティーニ版はチャプターメニューにサムネイルが付いてたのだけど、こちらは文字タイトルだけという点が不親切かな。

『GODZILLA 2000』は米国公開版で音楽とかが全面的に差し替えられてるって話もありますが、どうなんでしょう? それより『GODZILLA 1985』が今回もラインナップに入ってないのが残念です。昔、VHSで出てたのをレンタルで見たきりなので……
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