虫歯になった田中さん、歯医者で
最好不要拔,我害怕拔牙! (なるべく抜きたくない、歯を抜くのが怖いんです!)
成人男子が恥ずかしいセリフ。健太の役じゃないのか、これは。子供だと乳歯を抜くのを嫌がるのは説得力がないか。しかしなあ。
歯を抜くのが怖いのは、ここが中国だから、という理由を考えれば分からないでもないけど。
ほかにも、刺身を少し食べただけで食中毒になったり、テニスのボールが当たって骨折したりと、散々な目にあっています。
田中さん、喋りがなかなか感情豊かで、ちょっと笑える(笑)。
両替する:
換錢需要護照[ロ馬]?(両替にパスポートがいるんですか?)
2年間の長期出張で北京に来ていて、中国語ぺらぺらの田中さん。銀行での両替にパスポートが必要なことを知らないというすごい設定になってます(笑)。
公衆電話を利用する:
外出中に携帯電話のバッテリが切れるという設定で、公衆電話の使い方を説明してくれています。
たまたま電話ボックスの隣にいた人が、国際電話のかけ方を、よどみなく説明してくれる。日本の国番号もそらんじてます(爆)。
ところで田中さん、日本の会社へ電話してる筈なのに、呼びかけの言葉が「[ロ畏](ウェイ)」でいいのか!
非常感謝劉經理對我公司的支持.
私どもにご支持をいただきまして、心よりお礼申し上げます。
堅い、堅すぎる文章だ。これが日常会話でしょうか。
こんなに早い頃の例文としては、難易度が高すぎるのではないかと思うのだけど、中国語を勉強しようとする人には、仕事に使う人の比率が高いということなのだろうなあ。
しかし、アポを取るのがこんなに簡単でよいのでしょうか。
バスに乗って王府井へ買物に行く田中夫人と李夫人。
バスの乗車賃を払うのに、お釣りを用意してないと怒る田中夫人。
2元のバス賃に対し100元札ってことは、200円に対して一万円だすってことだよね。それって日本でだって嫌がられるぞ。
学習者に対して「バスに乗るときは小銭を用意せよ」と教えるための台本だとは思うけど、なんかなあ。
どうも、田中夫人の言動は好感を持てぬものが多い。脚本、もうちょっとなんとかしてくれんかね。
「八折是多少?」を「8掛けっていくらですか?」と訳しちゃうのは不自然だ。
「8掛け」は日本語で、この言葉を知っていることイコール、意味も知っているってことだもん。
ところで、田中夫人は、子供服の購入に、なぜ領収書が必要なのだろう。経費で落とすつもりか?
北京の印象を問われて、田中さんは李さんに「高層ビルが増えて、街がきれいだ」と誉める。田中夫人も「自転車が多いと思っていたら車がいっぱいで驚いた」と続ける。いつの時代の予想だ、それは。
対して李さんが答える。「車が増えて問題が増えました」。
田中さんが訊ねる。「問題? どんな問題?」
一般的に言って、最近車の普及率が一気に上がった中国よりも、車社会が長く続いている日本の方が、車による問題等に関心が高いはず。田中氏の「いったいどんな問題があるんだ?」といわんばかりのこの発言は、あまりにも無邪気だ。
さらにこの後、「でも、車があると便利でしょう」と来た。オマエ、アタマ悪いだろ。
李家の娘、寧寧が学校から帰り、田中夫人が「辛苦了」とねぎらう。
私、以前、中国語ネイティヴスピーカーの知人に、「辛苦了っていうのは、たとえばフルマラソン完走したあとのランナーにかけるような大げさな言葉で、日本人が気安くお疲れ様というのとは全然強さが違う」と聞いたことがあるのだが。
私が中国人に対して「辛苦了」と声をかける機会はちょっとなさそうだから、今のところは気にする必要はないと言えばないのだが、この問題はいつか解決したいものである。
田中夫人が、寧寧にお茶を勧めると、彼女は「子どもはお茶を飲まない、水を飲む」と答える。対して田中夫人は「そうね、日本でも子どもにお茶は飲ませないわね」と言うのだが、今の日本では、子どもに平気でお茶を飲ませているように感じられてならない。
さすがにコーヒーは低学年のうちは飲ませない家庭が多いとは思うけど。
でもこれも、これから先どんどん崩れていきそうだ。これは日本の社会、家庭のしつけの問題ですね。教材の問題ではありません。
でも、このあと田中夫人が、「ちょっと緑茶を飲むくらい大丈夫」って言うセリフはどうかと思う。他人がそんな無責任なこと言っていいのか!
さあ、私が今聴いている教材はいったいなんでしょう(笑)。