先週3日の金曜日は、久しぶりに帝国劇場でミュージカル『ラ・マンチャの男』を観てきました。
『ラ・マンチャの男』は、セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとにしたミュージカル作品で、映画化もされています。日本では、松本幸四郎さんがもう40年にもわたり主演していることでも有名なんですってね。
・・・でも、ミュージカルって、お芝居をしている途中で、いきなり・唐突に・脈絡もなく歌い出すことに違和感がある、という人が多いですよね。(実際はそんなことはないんですけどね~)
でも、この『ラ・マンチャの男』は、せりふを歌うようなことはしないんです。劇の中に歌が挿入されている、って感じですね。
まぁ、そんなことより、実は、この作品は中年男性ファンが多いのも特徴だそうで、それは、「人はどう生きるか」という重い哲学的なテーマが作品に貫かれていることが、会社の中での厳しさと通じるものがあり、現実に折り合いをつけず、あるべき姿に向かって険しい道を進むドンキホーテのその姿に共感するんだそうです。
その象徴が、『見果てぬ夢』という歌
To dream the impossible dream
To fight the unbeatable foe
To bear with unbearable sorrow
To run where the brave dare not go
To right the unrightable wrong
To love pure and chaste from a far
To try when your arms are too weary
To reach the unreachable star
This is my quest
To follow that star
No matter how hopeless
No matter how far
To fight for the right
Without question or pause
To be willing to march into Hell
For a heavenly cause
And I know if I’ll only be true
To this glorious quest
That my heart will lie peaceful and calm
When I’m laid to my rest
And the world will be better for this
That one man, scorned and covered with scars
Still strove with his last ounce of courage
To reach the unreachable star
夢は稔り難く 敵は数多なりとも
胸に悲しみを秘めて 我は勇みて行かん
道は極め難く 腕は疲れ果つとも
遠き星をめざして 我は歩み続けん
これこそは我が宿命(さだめ)
汚れ果てしこの世から 正しきを救うために
如何に望み薄く 遥かなりとも
やがて いつの日か光満ちて 永遠の眠りに就く時来らん
たとえ傷つくとも 力ふり絞りて
我は歩み続けん あの星の許へ
(福井峻訳「見果てぬ夢」<騎士遍歴の唄>パンフから引用しました)
ぐっと来る歌詞です
もうひとつの魅力は、人々から娼婦として見下されていた女性の中に、騎士はまったく違う姿を見出し、忍耐強く彼女のすばらしさを伝えていくうちに、彼女が自ら変わろうともがき、やがて新しい人生に向かって一歩を踏み出す、というもの。
私自身も今までの人生において、たくさんの人に支えられ、励まされてきました。
すっかり自信をなくし落ち込んだときに、「あなたはすごいよ。ちゃんとしてるよ」と応援してくれる人もいました。
ひとはそれぞれの人生に影響を与えたり、受けたりしながら生きているのですよね。
どうせなら良い影響を与えていきたいし、良い影響を受けることができるような人間でありたいと思います。
そのためには私自身が豊かな心を持ち、相手を受け入れ、良い影響を与えられる人格を備えていきたい、と、この作品に触れるたびに痛感しています
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