午後の日程は、まずワークショップ、そののち模擬仕分けです。
模擬仕分けでは、国の行政事業レビューで取り上げられた『青少年元気サポート事業』を事例にします。この事業は、青少年活動が沈滞・低迷しているため、地域での活動を活性化していこうとすることが目的で、その手段として地域の青少年活動団体にプログラム実施してもらうのだそうで、委託事業として実施しています。
この事業についての議論をするために、まず、3班に分かれてワークショップを行い、論点整理などをし、各グループから出た意見を模擬仕分けに反映させようとしていました。
ワークショップでは、ファシリテーターとしてDPDのプルバ議員さん、アドバイザーとして国立ガジャ・マダ大学政治・社会学部のビジブル(?)先生が入ります。
まず対象事業の概要説明をし、論点を話し合うはずが、やはり、事業仕分けについて理解が不十分(今日初めて聞いた、という方も)なようで、この制度の説明や実施の効果なども話し合いが必要でした。
議員さんたちからの質問は
・なぜ事業仕分けが必要なのか?
・予算編成に活用できるのか?
・利害関係者がいるのに、事業を判定されることに反発はないのか?
・仕分け人をどうやって選ぶのか?
など、日本においても事業仕分けを取り入れようとする自治体では、まったく同様の疑問が多く寄せられるので、どこでも同じなんだなぁ、と妙に納得してしまいました。
インドネシアでは(日本でも同様なのでしょうが)議員にとって、予算取りが大事な仕事となっており、決算という概念はないに等しいとのことです。
だから、予算が適正に執行されているか確認する事の重要性を訴えても、どうもピンとこない様子なのです。
・予算がついた事業が誰にどのように使われたか確認した議員はいるか?
・監視の目がないから、汚職や縁故契約がまかり通ってしまうのではないか?
と、僭越とは思いつつ申し上げてみました。
ファシリテーターでもあるDPDのプルバ議員は、この説得が腑に落ちたようで、公開の場でお金の流れを明らかにしたいという、意欲が一層増した、とおっしゃっていました。また、最初のうちは、「意義がないのではないか」、「事業仕分けなどしなくてもきちんと執行できている」とおっしゃっていた方たちもと、確かにどのように使われているか知らない、不明瞭だと気付かれたようです。
特に、大学教授などいわゆる「有識者」の方たちが議論を誘引する力が強いので、この層の理解が不可欠ですし、汚職など利害関係者に便益が偏らないようにするためにも報道側がおかしいことをおかしいと報道してもらうことも大事ですね。
いままで、その組織の中で常識だったことも、外部の目から見ると、おかしいなと感じることは多いですから、WSの議論は大いに効果があったと思いました。
このあとの、その4でようやく模擬仕分けの報告です
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