ZZR1400 PHANTOM Ninja 黒影

愛馬ZZR1400と、日々思うこと (゜o。∀。o゜)

事故話 ~死亡遊戯編

2011年08月19日 13時30分13秒 | 事故
 
8月19日は「バイクの日」

少しでも安全な運転につながればということで、事故のお話を。。。



今回のお話は、学生の頃のお話。

それは最近の気候のように、本当に暑い 真夏午後3時頃の話で
事故現場は自宅の近所、住宅街を走る普通の道路だった。

その道はカーブではあるが、ある程度先まで見え
対向車も適度な距離で認識できる上に
道路の横は塀で囲まれているため、
飛び出しなどの危険性も低い場所だった。

バイクにとっては、どちらかというと「気持ち良いカーブ」と言っても
過言では無いような道だ。



さて、上の図を見て、あなただったら何処に注意して走るだろうか?

もっとわかりやすくするために、バイクからの視点で見てみよう。↓
地図だけでは伝わらない情報が見えてくることだろう。

事故

まぁ、大抵は手前の駐車場からの飛び出しや
この道路を横切るかのような細い路地に注意を払って走行するだろう。

俺もそうだった。

実際のこの時はと言うと、
駐車場には一台も停まっていなかったのが確認でき
一瞬で注意点からは除外された。

もう1つの注意点は「路地」。

この路地は、人がすれ違うのがギリギリの
塀に囲まれた細い道なのだが
幸いなことにその塀は低く、さらに上半分は鉄柵になっている。

そう、人がそこに居れば、腰から上は見えるようになっているのだ。

俺もしっかりと人がいない事を確認し、
反対車線に注意しつつも、
速度を落とさず気持ち良くカーブに入っていった。


が・・・

がである。
次の瞬間、誰も居なかったはずの左の路地から
自転車に乗った少年が突如として現れ、
一心不乱に突っ込んで来るではないかっ!!!

何故?などと考える間もなく、このままでは当たると判断し
おもいっきり回避行動をとる。

幸運な事に反対車線には走行車は無く
可能な限り俺はバイクを寝かした。

ズッ! バンッ!!!!!

限界を超えたのか、ペイントを踏んだのか、
後輪が流れたと思った瞬間、俺は宙を舞ってしまった。
ハイサイドを起こしたのだ。

俺はかなりの距離を吹っ飛び、電柱に直撃。

バイクは何回転かし迫ってきたものの、
俺までは届かなかったのが不幸中の幸いだった。
事故

「つつつ痛・・・、くっそぉ・・・」と言いながらも
フルフェイスで良かったと素直に思った。

そのまま上半身を起こし、ヘルメットを脱ぐ。

「それにしても暑っっっちいぃ、くそぉ、汗が止まんねぇ。。。」
と、顔の汗を手で拭うと、少し違和感を覚えた。
手を見ると、真っ赤だった。

「あ、やべぇ・・・
 そうだ、バイクの荷物にタオルが入ってたっけ・・・」

と立ち上がり、
バイクからタオルを出したところまでは覚えているのだが・・・




気がつくと、そこは病院のベッドの上だった。

最初は何処?何?とワケがわからなかったが
ふと横を見ると、ちょっと離れた所で
絆創膏が貼られた少年の膝を動かしている医者が見え
「ああ、そうか・・・、子供と事故ったんだっけ・・・
 子供は無事だったみたいで良かったぁ。。。」

と、安堵した。


ところが、よくよく見てみると、少年の後には両親らしき人達が居たのだが
驚いた事に、父親が2人も居るのだ。
少年も、片方の父親には「パパ」と呼び、もう片方には「お父さん」と呼んでいる。

正直言って、別に父親が何人居ようがかまわない。
確かに2人の父親には少し驚いたが、本当に驚いたのはそこではなかった。
お父さんと呼ばれているサラリーマン風の男性の横に居る
パパと呼ばれている方は、明らかにそっち系の人物で
母親も、完全にどこかのママさんって感じの人だったことだ。

「か、かんべんしてくれよ
 やっばいガキに関わっちまったなぁ、おい・・・ (´~`υ)」


と思った瞬間、部屋の隅に居た警官
「お、目覚めたようです」
と言い、こちらに向かってきた。

「一体何があったんだ」
と、高圧的な警官。

こういうケースは、十中八九バイクに非がある場合が多いからね。

ところが・・・・・・





あれ・・・?


なにか子供絡みで事故ったのはわかるが、
あれ?

それ以外なにも思い出せない・・・

「・・・いや、よくわからないのですが・・・」
と警官に告げると

「ふざけた事をぬかすなっ! わからないことは無いだろうっ!!!」
と胸ぐらを掴まれ締め上げられた。

って、痛っっっってぇぇぇっ!!!

右足に激痛が走る。
足を見てみると、Gパンが無残にも切り裂かれ、ギプスがハメられているではないか。
どうやら骨折したらしい。

「ちょ、待て・・・くっ・・」
締め上げられながらも記憶をたどる。

そうだ、
バイトの帰りだった事は覚えている。。。

ん?

バイト?

あれ…?
俺は一体何のバイトをしていたんだ?

あれ?

何もかも、頭が真っ白だ。。。。




その時、後から医者が
「まあまぁまぁ・・・
 そういう事はありますよ、一種の記憶喪失でしょうね」

とフォローを入れてくれ、警官は静まった。


き、記憶喪失?

どうやら頭部への強打による外傷性健忘を起こしたらしい。
ちなみに『記憶喪失』とは状態であり、病名ではない。


うわ、ホントに?
893の息子に記憶喪失って・・・
キッツいなぁ・・・


自分の置かれた立場がわかったとたん
一気に不安と恐怖が襲ってきた。

記憶が無くなるという事が、こんなにも恐ろしいことだとは知らなかった。

どうなるんだ、俺・・・




と、その時。

急にドアが開き、一人の男性が飛び込んで来た。
その男性は俺の名前を呼んだ。

父親だった。

あっ、この人知ってる。
オヤジだ。
そうだ、俺、自分の名前も覚えているぞ。
住所もわかる。
なんだ、日本語もわかるし、全ての記憶が消えたワケじゃないんだ。

オヤジの顔を見た瞬間に、自分にはまだたくさんの記憶があることがわかり
涙が出そうなほど嬉しかった。



時間を置き、記憶を整理すると
事故の瞬間から過去3ヶ月間の記憶が
ごっそり無くなっているのがわかった。

その後、少しづつ記憶は戻ってゆき
事故から3ヶ月が経つ頃には、ほぼ全部の記憶を取り戻した。

戻って来た記憶と、少年の証言から事故の詳細も判明した。

あの時何が起こったのか。
何故少年が一瞬にして現れたのか。。。

事実はとても単純でバカげ、そして嘘みたいな話だった。


その日、小学4年のその少年は
友達の家で勉強した帰り、自転車に乗りあの路地へ来たそうだ。
(何処からどう見ても、勉強をするような子には見えなかったが…(;^_^A)

そして少年はある遊びを思いつく。

事故

なんとそれは、
速い速度の車が来たら、その車より速くその車の前を横切るという
とんでもなくふざけた馬鹿な遊びだった。

塀の影に身を隠し(上図の赤丸部)、柵越しに虎視眈々とターゲットの登場を待っていたのだ。
そして現れたのが俺だったわけだ。

少年は絶対に自分の方が速く通過できる自信があったらしいが、
ぶつかりそうになった瞬間、初めて全く間に合わないことに気づいたそうだ。

とんでもなくふざけたガキの悪戯なのだが
俺は記憶が飛んでいたせいか、まったく怒りの感情は生まれなかった。(^ヮ⌒〃;)


心配していた893の方も、少年が擦り傷のみだった事もあり
全面的に少年が悪いということで丸く収まった。

もし、少年が命を落としていたり、嘘の証言をしたりしていたらと思うと
ゾッとする一件だった。




しかし、つくづく道路という物は、
何が起こっても不思議ではない場所だなと思った。

それ以来俺は、誰も居なくても住宅街では気をつけて走行するようになった。

そんな、なかなか有りえないお話でしたとさ。

みなさんも気をつけてバイクを楽しんでくださいね♪(*ゝー・)b




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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先日はありがとうございました。 (ZZR1400乗りの妻)
2011-08-19 15:22:23
先日は、親切丁寧おまけに在庫確認までして頂きお礼の申し上げようがございません。本当、お忙しい所ありがとうございました。早速スッテップは注文して装着できました。まだ雨が続いているので装着後の走行は出来ていませんが、全然変わると思います。(喜^0^喜)
私も「ZZR1400ナビシートブログ」というタイトルでブログを書いております。タンデムステップが届いて装着した記事を載せております。もし気が向いたらご覧くださいませ。
http://blog.goo.ne.jp/piyomi86/d/20110815
(2011年8月15日の記事)

この事故の記事を読んで、「本当に思いもつかないような事故だよな!」と旦那さんが驚いてました。これからもお互いに楽しく長ーーーくバイクに乗れるよう安全に行きたいですね。
返信する
お~こえっ! (kigen)
2011-08-19 16:33:18
こえー。
ヤバイですね、
私の事故は、路地からの赤信号点滅無視でした。
以来、民家のあるところは、気をつけて走ります
返信する
気をつけましょう。 (ハイリキ)
2011-08-19 21:16:43
事故は本人同士だけでは済まない事が多いので、十分注意しましょう。 私の場合は事故未遂ですが、高速で渋滞ですり抜けしてたら三車線の真ん中の車から突然人が降りてきました。 フルブレーキでジャックナイフで止まったから良いものの、危うく突っ込むところでした。 あと、車でですが、駐車場のバイトの警備員に引っかかってしまい、そいつがそれをいいことに脅迫してきました。警察にも話しましたが取り合ってくれません。 そいつの家に行って家族に土下座して会社休んで病院へ送り迎えして誠意を見せても脅迫してきました。軽い打撲なのに演技してるのはバレバレでした。 このまま引き下がるのは悔しいので知り合いの弁護士に頼んで調停にかけてもらい解決しました。 弁護士によるとそいつは「過去にその手でいい思いしたんじゃないか?」と言ってました。当たり屋みたいな感じですね。 黒影さん、そしてみなさん。本当に気をつけましょう!!
返信する
Unknown (Rider-K)
2011-08-19 21:33:37
世間にはおかしな人間がごまんといるので、本当に気を付けたいですね。
それに私自身、おかしな人間の立場にならない様にも注意したいです。
返信する
いやいやいや… (96)
2011-08-20 00:46:34
とんでもない餓鬼ですね(゜Д゜;)

街中には危険が山盛り(T^T)

昨年…交差点を通過中の私の車に
赤信号を無視して(しかも一切確認なし)突っ込んで来た婆さんと
接触して倒れられた時は…呆れて言葉を失いました。

大した怪我は無かったが何でもくるまが、悪いってのは
勘弁して欲しいっすね( ̄^ ̄)
返信する
Unknown (rashia)
2011-08-20 22:25:49
はじめて書き込みさせていただきます。
自分もスクーターに乗っている時に、同じ事をされました。
止まって子供を睨み付けると、逆側に別の子供達が!
その時、遊びだと気づきました。

最近は親と子の意識レベルが同じで、どーなってしまうのやら・・・

自分の子供には交通事故の怖さを教えています。。。
返信する
記憶 (haruhika)
2011-08-21 06:46:13
自分も20歳の頃、単独事故を起こしました。

単純にスピードの出し過ぎでカーブを曲がりきれずに
ガードレールに突進していったのですが、そこまでの
記憶は有りましたが、その後の事は覚えていません。

気がつくと、ガードレールの支柱に左足をぶつけて
大腿骨がポッキリと折れて、あぁ骨折してるんだなと
思いましたが、痛みはありませんでした。

ぶつかる、前後の記憶だけありません。

救急車が着た途端に、足に激痛が走りました。
返信する
おっそろしいですね・・・ (ガーランド)
2011-08-21 16:30:40
子供の頃というのは、後のことを考えずに、ただその場のスリルだけを求めて行動する生き物なんですよね。
確かに僕も子供の頃は似たようなことしてたと思いますw

が、これはその世代の特徴的な行動なので、改善させることはまず無理なんですよね。

まぁ、子供に限らず、お年寄りなども確認不十分で出てくることが多々ありますがw
僕の出勤時間帯はクルマも少なく快走できるんですが、それをいいことにオトナの歩行者が普通に道路を(横断歩道がない場所で)渡ってきます。

みんながみんな、「自分の道交法」で行動(運転)してるので、よりいっそう注意を払って運転しようと思います。
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警官の態度がすごいですね。。。 (みちお)
2011-08-21 23:19:01
子供が大きなケガしてだんまりされていたら
悲惨なことになっていましたね。
黒影さんが大怪我したものの無事だったことがなによりです。
バイクにこそドライブレコーダは必要なのかなぁ。。。と真剣に考え始める今日このごろです。
しっかし、なんとも不愉快な警官ですね。
警官という方々は、
「思い込みで捜査するな」
と教え込まれているのではなく
「思い込みで捜査せよ」
と教え込まれているような気がします。
しっかし、ベッド上の人の胸ぐらつかむなんて、
度を越してますね。
返信する
Unknown (ちょぼ)
2011-08-22 14:24:16
正にこの前同じような事故を自転車でやってます。
住宅街ということで、横から何があってもいいように結構ゆっくりと走っていたら
横から自転車が~、やばいと思ってブレーキをかけたものの間に合わず
ゆっくりと衝突。

これで速度が出たと思うと、ひやっとしました

自転車側はまだマナー意識がはっきりしてませんから、難しいところです。
返信する
警察もグルだな (アース)
2011-08-22 21:10:37
当たり屋は警察も共犯だから、始末が悪いよね。
返信する
むぅ・・・ (黒アキ)
2011-08-30 21:26:31
事故そのものもですが、厄介なのは相手が悪い時にそれを証明できないことですよねぇ・・・。
バイクってのはやっぱり悪く見られがちですから。

やっぱりレコーダーつけるが一番なんですかね?
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