「少し先の、もみじの綺麗なお宅の奥さん、先週の木曜日に亡くなったそうよ」
朝の陽がさす部屋で新聞を読んでた私に妻が小声で言った。
「知らなかったな、先週 庭仕事をしてたのを見かけたのに。急だったんだ」
「救急車で病院へ、次の日に・・」
「困るだろうな。炊事・洗濯・掃除そして庭仕事、奥さんに任せきりだったから」
「あなたも洗濯くらいできないと困るわよ」と妻
新聞を読み続ける私に、女房が使い方を説明し始めた。
「せっけんは・・・、スイッチは・・、干し方は・・」と妻。
聞かぬわけもできずに・・。次には洗濯機の前で実践が始まりました。
「これくらい知らないと、突然は 突然来るから・・」と妻。
年末の朝、高齢者夫婦の見えぬ明日を思う会話です、御免。