だらだら坂の参道を歩きながら考えた。「太い山寺より大きい山寺に書き換えたほう良いのに」と。いよいよ最後、長い石段を登った。そこには美しい瓦葺きの本堂があった。大きさにも圧倒された。長い坂道も急な石段もこの本堂の美しさが見られると解ってれば楽しんで登れたのに。そう思いながら先が見えると怖いこともあるかもと反する考えがよぎった。どっちが良いだろかと歩きながら考えた。結論はケースバイケース。またも日和見な自分がいる。 「巡礼日記」より