雨がよく降ります。露はなかなか空けてくれそうにありません。
雨の日でもサッカーはやります。雨の日にサッカーと言えば僕はある天才ドリブラーのことを思い出します。
とある田舎の高校の体育の時間、サッカーの授業での話し。
その日雨は少し止んでましたが、朝から降った雨でグラウンドはいい感じにぬかるんでました。いつもの通りクラス対抗での試合。そんなにうまくない僕はいつものようにDFでした。そしていつもだったら前線にいるA君はなぜか僕の横にいました。
しかし、いざ試合が始まるとA君は僕にディフェンスをまかせ、むしろボールから逃げてました。何を隠そう極度の潔癖症であるA君はジャージに泥がつくのを嫌ったのです。
ぬかるんだグラウンドでは中々ボールは転がらず、0-0で迎えた残り5分。それまで一度も泥を浴びることがなかったA君に悲劇が襲います。相手のロングボールが運悪くゴール前の水たまりに落下、飛び散った泥がついにA君にもかかってしまったのです。A君の中で何かがはじけました、、、。
水たまりに落下したボールを僕がいつも通りクリアしようとしたら、A君がボールを奪いました。
「うおぉぉぉぉ~!」
雄たけびをあげながらA君は自陣ゴール前からドリブルを始めました。そしてそこから何人抜いたかは覚えてません。気がつけばA君はそのままドリブルで敵陣まで独走し、ゴールを奪いました。後にACミランのジョージ・ウェアもハーフライン付近からドリブルで独走してゴールを決めてましたが、A君の方が距離が長かったと思います。また、彼はドリブル中ずっと雄たけびをあげていたそうです。
ちなみに僕もA君も帰宅部です。よく授業を一緒にサボったもんです。