澄み渡る秋空の下、銀杏の葉が色づき始めたグラウンド。太陽の光が、汗ばむ若者たちの肌を温かく照らしていた。バスケットボール部3年の大輔は、キャプテンとしてチームを引っ張っていた。だが、強豪校との練習試合で惨敗し、チームの士気は地に落ちていた。
「俺たち、このままじゃダメだ…」
大輔は、ひとりコートに残ってボールを投げ続けていた。そんな大輔のもとに、中学時代からの親友、陽キャな翔太がやってきた。翔太は、大輔の悩みを察すると、いつもの明るい笑顔で声をかけた。
「大輔、何悩んでんの?また試合で負けたからって、そんな顔すんなよ。」
「翔太、俺、キャプテンとしてチームをまとめられない。みんな、俺のせいでやる気をなくしちゃってるんだ。」
大輔は、自責の念にかられ、肩を落とした。
「そんなことないよ。大輔はいつもチームのために頑張ってる。みんな、大輔のこと尊敬してるさ。」
翔太の言葉に、大輔は少しだけ気持ちが楽になった。それでも、心の奥底には、チームを勝たせたいという強い思いが渦巻いていた。
ある日、部活の後、大輔はいつものように一人で体育館に残っていた。すると、中学時代からのもう一人の親友、真面目な健太がやってきた。健太は、大輔のプレーを見て、こう言った。
「大輔、シュートフォームが少し崩れてるよ。もしかして、プレッシャーを感じてるんじゃないか?」
「…そうかも。」
大輔は、自分のプレーを見つめ直すきっかけを与えられた。
その後、大輔は、翔太や健太のアドバイスを参考に、シュートフォームの修正に取り組んだ。また、チームメイト一人ひとりとじっくり話し合い、それぞれの意見を聞き、チーム全体の士気を高めるために何ができるかを考えた。
そして迎えた、地区大会。大輔は、これまで以上にチームを鼓舞し、自らも果敢にゴールへアタックした。チームメイトも、大輔の頑張りに応えるように、一つ一つプレーに集中し、最後まであきらめずに戦い抜いた。
試合は、最後の最後まで手に汗握る展開となったが、見事勝利を掴み取った。試合後、大輔はチームメイトと抱き合い、喜びを分かち合った。
「やった!勝ったぞ!」
大輔は、チームメイト一人ひとりの顔をしっかりと見て、感謝の気持ちを伝えた。
「みんな、本当にありがとう。俺たち、最高のチームだ!」
夕焼けに染まるグラウンドで、大輔たちは、爽やかな汗をかきながら、これからも一緒にバスケを続けよう、と誓い合った。
秋空の下、友情と成長を描いたバスケットボール物語は、これからも続いていく。