批判しないでください。
今日もしょうもない小説でお楽しみください。
寒々としたスキー場、吹雪が迫る中、一人のスキーヤーが廃れた山小屋を見つけた。中に入ると、古びた写真が揺れる。一枚、若いカップルが笑顔でスキーを楽しんでいる。彼らはこの場所で消息を絶ったという噂が。夜が更け、風が小屋をたたく音が急に止む。写真が揺れる中、カップルの笑顔が消え、怨みのある視線が部屋に広がる。窓の外で、何者かの影がスキーの軌跡を辿って近づいてくる。
小屋の扉がゆっくりと開き、寒さと共に不気味な空気が室内に侵入する。スキーヤーは身の毛がよだつような異常を感じ、部屋を見回す。写真のカップルが消え、代わりに暗闇の中から微かな囁きが聞こえる。
「助けて…助けてくれ…」と、女性の声が不安げに呼びかける。スキーヤーは恐れを抱えつつも、その声に引かれて廊下へ進む。しかし、その声は小屋の奥深くへと誘い込まれるように消えていく。
部屋に戻りながら、彼の周りには見えない存在の気配が漂い始める。足音が跫る音、そして寒気を伴う触れることのできない手。彼は恐怖に打ち震えながら、小屋に秘められた不可解な謎を解き明かそうとする。
次第に霊的な存在の影が具現化し、彼の前に立ちはだかる。恐怖に歪むその姿は、かつてこの山小屋で悲劇に見舞われたカップルの怨念そのものだった。その霊は彼に対して復讐の執念を向け、彼を小屋から逃がすまいとする。
絶望が心を覆い尽くす中、スキーヤーは最後の賭けに打って出る。彼は勇気を振り絞り、かつてのカップルの幸福な時を思い出し、穏やかな言葉で霊に語りかける。すると、部屋に灯りが灯り、小屋の中が静まり返る。
怨みの霊は和らぎ、消えゆく。小屋は再び静寂に包まれ、吹雪が再び吹き荒れ始める。スキーヤーは無事に生き延びたが、その日以降、その山小屋には誰も近づかなくなったと言われている。
では また