ラフォーレ原宿で開催されてたときから何故大阪でやっていただけないのか!!と
地団駄踏んで(ふと今、地団駄ってナウなヤングに通じるんやろかと思ってしもた)待ってた甲斐がありました。
天野喜孝xHYDE展 [天命と背徳~NIPPON EVOLUTION~] official website
わたし、天野喜孝先生の25年来のファンなのです。
HYDEさんを知るずっと前…中学生のとき、田中芳樹先生の小説『アルスラーン戦記』に出逢い、
その挿絵をお描きになっていた天野喜孝先生のイラストに衝撃を受けました。
アルスラーン戦記〈1〉王都炎上 (角川文庫):Amazon.co.jp:本
それまでは年相応に少女漫画やアニメは見ていたし、それこそ同人活動的なことを始めた頃だったので、
色んな先生が描かれた絵に触れてた時期だったんですけど。
最初に天野先生の絵を拝見したときの強烈な衝撃は今でも覚えています。
わたしの貧相なボキャブラリーでは到底表現できないんですけど…
当時、わたしは天野先生を『イラストレーター』とは認識していませんでした。画家さんだと思っていた。
そこには、別に境界はないのかもしれませんが。
所謂「デフォルメ」された『イラスト』とは対極にあるものだと認識してました。
でも、
剣の柄、冠の彫金、ストールのフリンジなど、装飾品のディテールは気が遠くなるほど細かく描き込まれていて。
逆に、目を凝らして見ると人体…特に目、唇など顔の部分は、特徴的な線の多さ、細さによって、どことなく曖昧で。
そのギャップが、『リアル』と『ファンタジー』を同時に内在させているかのような。
写実のようで写実とも違う、でも抽象画でもない。
それこそが、『イラスト』なんだと、今になって思います。
ここ数年で、ああいうタッチのイラストってよく見かけるようになりましたし、
あんな線の漫画家さんも見かけるので、『イラスト』としての一ジャンルに定着したのかも知れません。
天野先生に出逢った当時のわたしは幼かったので、
先生の絵を、平たく表現すると、『難解』だと思ったんです。
子供のわたしには難しすぎて…
どうやって描かれているのか、ちょっと想像できないタッチというか。
線が細く多い部分と、太く強い部分。
重ねて何度も着色されている部分と、紙の色がそのまま、何も描かれてない部分。
でも、何十分見つめていても飽きない。どこがどうなってるんやろう?って、
ルーペを使ってでも見て、どこがどうなってるのか調べてみたくなるような、そんな絵。
とにかく、物凄く引力のある絵ですよね。
そんな天野先生の絵の力に魅せられて25年。
これまたわたしが20年近くファンさせていただいてるHYDEさんを、
天野先生がお描きになったと知った時の衝撃は、3億円宝くじ当たったより凄まじかったですね…
大阪開催が決まった瞬間に、多くのお友だちからお祝いの言葉をいただき(一人で延々騒いでたんで…)、
本日行って参りました。
もう…わたし、召されてもいいです…
そこは天国で、地獄で、天野ワールドここにありきって感じで、
そして、やはり、そこに描かれていた全ては紛れもなくHYDEさんだった。
このお二人の出逢いが運命でないならこの世界に運命などありませんよ…
テーマは非常に明解。
天使と悪魔。
善と悪。
それらが問いかけてくるのです。
目に見えているそれは本当にその姿をしているのか?と。
善と信じて疑わないものは本当に善なのか?と。
HYDEさんの哲学にずっと貫かれているものが、天野先生の描くHYDE像に可視化されたとでも言えばいいんでしょうか。
それらの持つ迫力と、作品の数の多さに、天野先生がどれほど強い衝動を持ってHYDEさんに向き合ったのかが、
訊かなくても充分伝わってきます。
とにかく、言葉が陳腐になるレベルです。
会場は広く、平日の就業中と言える時間だったので空いていたため、
本当に顔をくっつけて、先生の筆がどこからどう動かされたのか、
どの色を先に塗ったのかが分かるまで、思う存分凝視してきました。
心がお腹いっぱいになる感覚を、久しぶりに味わった至福の時間でした。
絵を描く方は特に見ていただきたい。あんなに間近で見ていいなんて機会なかなかないと思うので…
当日の撮影可作品はこれらでした。
~NIPPON EVOLUTION~という副題が付いていますが、
水墨画は圧巻です。
光の表現が素晴らしすぎてチビるかと思いました(すいません)。
出来るなら期間中にもう一度伺いたいです。
是非ご来場下さいませ。