あちこち飛び地のように敷地があり、そこかしこに施設が立ち並んでいる京都大学の吉田地区ですが、金平糖で有名な緑寿庵清水の近くにある京都大学関田南研究棟の横の植え込みに放置されっぱなしという感じで枝を伸ばして花を咲かせていたのは……
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ギョリュウ(御柳)でした。穂状花序にウメ(梅)のような小さな淡桃色の花をたくさんつけ、遠目に見ると花が咲いているというより、樹木の周囲が春霞が立ち込めたようにも見えます。
花茎なのか新葉なのかわかりませんが、まるでヒノキ(檜)などの針葉樹を思わせます。
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中国北部が原産の落葉小高木で、英名のタマリスクでも呼ばれます。楊貴妃が愛した植物だそうで、それに敬意を表し、柳に似た枝振りから「御柳」あるいは「聖柳」と呼ばれるようになったそうですね。一輪一輪の花自体に華やかさはないかもしれませんが、たくさんの花序が重なるように咲き乱れる姿に目を惹きつけられるかもしれません。
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ちなみに、このギョリュウに似ているからということが和名の由来となっているのがこちら、ギョリュウバイ(御柳梅)です。
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ギョリュウバイ(志賀越道沿いで、2021年10月撮影)
並べてみると「似ているかな?」という気もしますが、こちらはニュージーランドやオーストラリアなどオセアニア原産のフトモモ科ギョリュウバイ属の低木です。なんとなく雰囲気から、ギョリュウがオセアニア原産で、ギョリュウバイが中国原産というふうにも見えなくもない?