京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

吉祥院天満宮で今年も「葉ぼたん展」が始まりました

2019-12-24 11:58:11 | 歳時記・文化・芸術
京都市南区の西大路十条近くに鎮座する吉祥院天満宮では、境内で新春恒例の「葉ぼたん展」が今月15日から始まりました。今回でこの展示も25回を数え、区内在住の農家、園芸家による手作り葉ぼたん約250株が特設花壇にずらりと並んでいます。

中央には来年の干支のネズミが福助のような姿で飾られており、よく見ると人形の横では葉ぼたんで「子」が表現されています。




吉祥院天満宮は菅原道真公の生誕地とされ、北野天満宮より早い承平4(934)年に創建された日本初(最古)の天満宮です。そして、菅原家が信仰する吉祥天を祀る吉祥院を邸内に建立して氏寺としたことから、このあたりの地名の「吉祥院」の由来にもなっています。

なお日本初(最古)に関しては、京都市では天神信仰発祥として下京区の文子天満宮と、天満宮という社号を初めて認可された神社として上京区の水火天満宮が日本初(最古)の天満宮としており、さらに最初に建てられた菅廟として山口県防府市の防府天満宮も日本初(最古)の天満宮と称しています。また生誕地に関しては、京都市上京区の菅原院天満宮神社も邸宅である菅原院があった場所だとされ、下京区の菅大臣神社は邸宅の紅梅殿と白梅殿があった場所だとされています。

吉祥院天満宮の境内には、菅原道真公の生誕地であるという社伝に基づいて、菅原道真公ゆかりの「産湯の井」が復元されていました。


(産湯の井)


また、菅原道真公が参朝の際に顔を映したという井戸である「鑑(かがみ)の井」の遺跡も、摂末社のひとつである弁財天社のそばにあります。


(鑑の井)


さて、吉祥院天満宮の「葉ぼたん展」に話を戻しますと、特設花壇は境内で吉祥天女を祀る吉祥院(吉祥天女社)のそばに設営されています。冒頭で紹介しました干支の人形ですが、こちらも毎回の展示の人気のひとつだそうで、この干支の人形は今年83歳の作家さんが現役で長年作成され、奉納されているのだそうです。




一番華やかな中央の展示から、その右側に目を向けると…




葉ぼたんとともに門松も飾られています。慶賀令和松竹梅と朱記されています。




また逆に、左側に目を向けると…




奥に座っているのは京都銘菓「おたべ」のキャラクターのおたべちゃんではなく、巫女さんです。




天満宮本殿前の神馬の前にも…




葉ぼたんが飾られています。




大きい葉ぼたんは生育に4年ほどかけられたものだそうで、なかなかの見応えのある展示でした。

帰り際に、天満宮とその横を流れる天神川に挟まれるようにある小さな児童公園のイチョウの木に気づき、鮮やかな黄色の葉を身にまとっていました。




そのイチョウの根元に目を移すと、落ち葉を敷き詰めた黄色い絨毯になっていました。




今回で25回目となる吉祥院天満宮の「葉ぼたん展」ですが、この地域の歳時文化として根付き、これからも末長く続けていってほしいものです。

なお、展示は来年の2月15日まで続きますので、もしお近くにいらっしゃることがあれば、少し足を止めて参拝がてら「葉ぼたん展」の鑑賞はいかがでしょうか?

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