京都では祇園祭ともゆかりのあるヒオウギ(檜扇)ですが、ヒオウギ以外にも名前に「ヒオウギ」とつく植物があります。
京都大学の熊野寮の南側にある石垣沿いでは、ヒメヒオウギ(姫檜扇)が咲いていました。この花は基本種の朱赤という品種だと思います。
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ヒメヒオウギは、ヒオウギに似た小さな花を咲かせることから和名がつけられています。分類はヒオウギと同じアヤメ科なのですが、ヒオウギがアヤメ属に分類されているのに対し、ヒメヒオウギはフリージア属に分類されています。かつてはアヤメ科のラペイロージア属あるいはアノマテカ属に分類されていました。
ちなみに、ヒメヒオウギは南アフリカ原産で、大正時代に日本に渡来し観賞用として栽培されてきましたが、暖地ではこぼれ種でも増えるため、あちこちで野生化しているようです。
このヒメヒオウギに似た名前で、もちろん「ヒオウギ」も名前に入っている植物といえばヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)でしょうか。このヒメヒオウギズイセンは昨年の6月に鴨川河川敷で咲いていたものです。
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ヒメヒオウギズイセンもアヤメ科なのですがヒオウギズイセン属に分類され、属名のクロコスミアもしくは古い学名のモントブレチアの名前で呼ばれることもあるでしょうか。原産地はヒメヒオウギと同じく南アフリカです。
こちらは昨年7月に京都府立植物園で咲いていたヒオウギの花です。
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それぞれ見比べてみると「似ているかな?」という感じに思えますが、それだけヒオウギが身近な植物で、愛されているということなのでしょうか。