京都というところは、京都人の気質もあるかと思いますが、いわゆる古典園芸植物や伝統園芸植物の銘花(名花)の園芸種を受け継いで守り伝えているかと思えば、軒先に「なんだ、これは?」というような植物の鉢植えが置かれている、京都に生まれ育った者にとっても不思議なところと言えるかもしれません。
この花もそのひとつでしょうか。
昨夏にアオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)の花が咲いていた場所の花壇で見つけた植物ですが、なんとなく感覚的に「オーストラリア原産の植物かな?」と思いながらも名前はわからず、きれいに咲いている花を中心に写真を撮影しておきました。
蕾は真っ赤ですが、咲き開くとクリーム色を帯びたバイカラーの花と言えるでしょうか。
この蕾のかたちがアカシア(ミモザアカシア)に似ていることから勝手にオーストラリア原産の植物かなと思ったのですが、調べてみたところグレビレアというヤマモガシ科グレビレア属に分類されるオーストラリア原産の常緑低木で、これはラニゲラ種になると思います。ほころんでくると力瘤をつくっているようにも見えます。
花は雌しべの花柱が1本、にゅーっと伸びて、あとは種子ができる箇所になるそうです。ちなみにグレビレアという属名は、イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Sciety;RHS)創設時の会員のひとり、チャールズ・グレヴィル海軍卿の名前からつけられたそうです。そのため「グレビレア」ではなく「グレヴィレア」とも表記されることもあります。
見ようによっては、思わず「角出せ、槍出せ、頭出せ〜♪」と歌詞が思い浮かぶような姿にも見えます。
もちろん、カタツムリではないですよ。
最後にまたまたいつもの脱線話ですが、カタツムリのことを「でんでん虫」と呼ぶのは、別に電電公社(ってわかる人は何歳以上かな? 正式には日本電信電話公社)は関係なく、触るとすぐに頭を引っ込めることから、子供たちが「出よ出よ」と呼びかけたことが訛って「でんでん」となったという説があるそうです。ただ、電電公社でカラ出張等の別途経理資金の存在が新聞沙汰になったときはマスコミに「でんでん虫」と揶揄されたとか……