今日は二十四節気のひとつ「啓蟄」ですね。土の中に隠れ住んでいた虫(=蟄)が閉じこもりを開けて(=啓)出てくるという意味になるそうですね。
残念ながら土から出てきた虫は見つけられませんでしたが、今朝早くに訪れた京都御苑の九條邸跡ではムラサキサギゴケ(紫鷺苔)が花開き始めていました。仲良く並んで記念撮影みたいになりましたが、よく見ると真ん中で一人だけ後ろを向いています。小学校や中学校の頃、仲間で記念撮影する際に顔を横に向けたりして「おちょける」子がいましたが、そんな感じでしょうか。
ひょっとしたらと思い、同じ頃に咲き始めるカキドオシ(垣通し)やキランソウ(金瘡小草)も咲いていないかと探してみましたが、これらはまだのようです。4年前に撮影した写真を過去記事で投稿していましたので再掲します。
カキドオシ(過去記事より再掲。京都御苑の母と子の森で2018年3月に撮影)
キランソウ(過去記事より再掲。京都御苑の母と子の森で2018年3月に撮影)
このキランソウは匍匐性があり、冬の間はロゼット状で蓋のように地面にへばりついていることと春の彼岸の頃に花を咲かせることからジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)という別名もありますね。春と秋のお彼岸の中日やお盆には地獄の釜の蓋を開けるという言い伝えに由来するそうですが、この「地獄の釜の蓋を開ける」という意味は「蓋が開いて地獄に落ちた人が現世に戻って悪さをする」ということではなく「毎日罪人を釜茹でする地獄ですら彼岸の中日やお盆には釜の蓋を開けて休むのだから、この世の人間も休息しましょう」ということだそうですね。
戸や蓋がらみで言えば、二十四節気のそれぞれをさらに3つに分けた七十二候では今日から3月9日頃まで初候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」となるそうで、七十二候でも「啓蟄」と同様の内容が配されているようです。
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これらの戸や蓋は「開いて」もよいのですが、いま世界では開けてはいけない「パンドラの箱」を開けてしまったようですね。現代の「火薬庫」の戸を開けて火をつけてしまったとも言えるのでしょうか。誰が火をつけたのかは諸説ありそうですが……だからと言って武力行使に手を染めたことは責められるべきことです。