今日は「建国記念の日」で祝日ですね。現在、祝日は年に16日ありますが、これらは『国民の祝日に関する法律』で定められ、同法第2条にそれぞれ祝日の名前と日にち、その由来等が記載されています。
ただし、そのうち「建国記念の日」の日にちは2月11日ではなく『政令で定める日』と記されているだけです。この2月11日という日にちは、じつは『建国記念の日となる日を定める政令』で規定されています。
元々は『紀元節』であり、神武天皇が即位した日である紀元前660年1月1日を新暦に換算し、明治5年に旧暦から新暦に移行した明治政府が翌明治6年に制定したものです。
第二次世界大戦後、上記の『国民の祝日に関する法律』の案にこの『紀元節』の日を『建国記念日』として盛り込んでいましたが連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって削除され、いったん祝日ではなくなってしまいます。
その後、昭和27(1952)に日本が主権を回復するとすぐに今日を『建国記念日』とする法案が提出されましたが『紀元節』の復活に賛否両論となり、廃案と再提案が繰り返されました。
そして、十数年を経た昭和41(1966)年に法改正が行われましたが、日付は神武天皇の即位日を根拠とすることに抵抗感がある人も多くいたことから改正法では定めずに『政令で定める日』と記すに留めて、すぐにときの佐藤内閣が上記の『建国記念の日となる日を定める政令』を定めて即日施行し、翌昭和42(1967)年から祝日となりました。
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そうそう今日は祝日であるとともに、今年は陰暦1月1日が明日2月12日にあたるため旧暦だと今日が大晦日です。また、今年は旧暦だと新年を待たずに立春を迎えたので、このような年の立春は『年内立春』とも呼ばれます。古今和歌集には在原業平の孫である在原元方が詠んだ
年のうちに
春は来にけり
ひととせを
去年(こぞ)とやいはむ
今年(ことし)とやいはむ
という和歌があることを先日教えていただきました。二十四節気のひとつである立春は、この日から季節は春になって新年となる日という意味がありますが、太陰暦は月の満ち欠けを基準として、冬至の日を旧暦11月に入るように定めるため、どうしても元日(旧正月)と立春が前後してしまいます。ですから「元日を迎える前に春がやってきましたよ。この一年を去年と言いましょうか、それとも今年と言いましょうか」と詠んだのが上記の和歌です。
まだまだ寒い日が続きますが、春になると「まず咲く」が名前の由来とされるマンサク(満作)も咲き始めているのを一週間前に見つけました。このマンサクは今日2月11日の誕生花のひとつだそうです。旧暦であろうと新暦であろうと「新年」や「春」が近づくと何となく嬉しいものですね。季節の移り変わりとともにコロナ禍も終息して春らしく心の底からウキウキとした気分になれるよう願うばかりです。
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マンサクの花