京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

桜餅の匂い?

2019-04-30 07:10:19 | 雑学・蘊蓄・豆知識
一週間ほど前のことになりますが、荒神橋近くの鴨川河川敷の土手にハルガヤ(春茅)が生え、花を咲かせていました。ヨーロッパ原産のイネ科の植物です。




花といっても目立つ咲かせ方をするわけでなく、花穂から何かが出てるように見えるだけです。雄性先熟で、雄しべが先に出てきます。




雄しべが出て花粉を出した後に雌しべが成熟し、2つに分かれた糸のようなものが出てきます。




これだけだと何の変哲もない雑草なのですが、このハルガヤを乾燥させると桜餅のような甘い香りがします。実はハルガヤにはクマリンという芳香成分が含まれており、このクマリンはバニラのような匂いと表現されることが多いのですが桜餅に使うオオシマザクラの葉の塩漬けにも含まれているので、桜餅の匂いを思い浮かべていただくのが一番わかりやすいかと思います。抜き取ってすぐの生の茎でも、揉んでみるとほのかに桜餅のような匂いがしますよ。

甘い香りがするため、ヨーロッパでは芝生代わりや観葉植物等に利用され、牧草に少し混ぜると家畜の食欲が増進するとも言われているようです。園芸においては、バニラグラスあるいはスイートバーナルグラスと呼ばれることが多いでしょうか。日本では明治初期に北海道に導入されたのが野生化し、全国に広がっているようです。

帰化植物ではありますが、もし見つけたら、ぜひ匂いを嗅いでみてください。ただし、イネ科植物に対して花粉症やアレルギーをお持ちの方はご注意くださいね。

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