東大路通から東一条通を東に、京都大学の正門前を横切り、大きな一の鳥居をくぐると玉砂利が敷き詰められた吉田神社の表参道が二の鳥居まで続きます。二の鳥居横に手水舎があり、その近くに数本のツバキ(椿)の木が植えられていますが、春に咲いた花が結実して赤く色づいた果実ができていました。
色づき具合は品種や個体差があるようで、隣の木はあまり色づいていません。ひょっとしたら、これからさらに色づくのかもしれませんが緑色に淡い紅色がのって褐色のような色合いです。
もっと濃い紅色に色づいた実もありましたよ。扁平なリンゴ(林檎)のようにも見えますが、果肉はほとんどなく中身は種子で占められており、秋になると三裂して弾けます。
じつはツバキにはリンゴツバキ(林檎椿)という品種もあり、たいていのツバキの果実は直径(長径)が3〜4センチメートルなのに対し、リンゴツバキは5〜6センチメートルと倍近くの大きさがあり、手にのせると手のひらが隠れるくらいの大きさの果実もあるでしょうね。ただしリンゴツバキというのは別名扱いで、ヤブツバキ(藪椿)の変種で屋久島に生育することからヤクシマツバキ(屋久島椿)というのが標準和名扱いのようです。
毎年、何度も花は眺めているのに、意外にこのツバキの花は撮影していなかったようですね。おぼろげながら咲いていた花を思い出せるのですが、どの花だったのか全然覚えていないですね。人間の記憶なって当てにならない証拠でしょうか。
ちなみにツバキは晩冬から春にかけて花を咲かせ、初夏にできる果実は秋にできて弾けるため、たくさんの花と実が一緒に見られるということは少ないかと思いますが、近縁種のチャノキ(茶の木)は果実のできる時期はツバキと一緒ですが花期が秋であるため、花と実が一緒に見られるという違いがありますよ。