京都府立植物園の植物生態園でセンノウが咲き始めています。中国原産の多年草ですが、中国から導入され京都嵯峨にあった仙翁寺で育てられたセンノウは人気を博し、その仙翁寺から花の名前もセンノウ(仙翁)と呼ばれるようになったと伝えられています。
しかし、その仙翁寺も鎌倉時代には廃絶してしまい、寺の廃絶ともに花の行方もわからなくなり記録だけが残っている状態が長く続いたため「幻の花」とも呼ばれていましたが、平成9(1997)年に島根県で栽培されていることがわかり、京都府立植物園にも里帰りして育てられています。
センノウは三倍体のため種子ができにくく、さらに土壌線虫に生育が阻害され同じ場所での連作ができないため、毎年挿し芽で増やしていく方法をとらないと途絶えてしまいやすいようです。センノウの仲間でよく知られるフシグロセンノウとは違い、切れ込みが入って、見ようによってはハート形にも見える花弁がかわいらしい花です。
(フシグロセンノウ)