京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

菊閉じ、菊綴、菊冬至?

2019-12-10 06:35:12 | 雑学・蘊蓄・豆知識
12月最初の日曜日のことですが、京都府立植物園のつばき園で早咲きの品種のひとつである椿「菊冬至」が咲き始めていました。

この品種、現在は「菊冬至」と呼ばれていますが、名付けられた当初は菊が咲き終わる(閉じる)頃に咲き始める椿であることから「菊閉じ」と呼ばれていたそうです。でも、いつしか「菊冬至」と呼ばれるようになり、読みも「きくとじ」から「きくとうじ」に変わっています。



これとは別に、水干・水干袴や鎧直垂・鎧直垂袴などの縫い合わせ箇所につけられる房状の飾りを「菊綴」と言いますが、花盛りの状態がこれに似ていることから「菊綴」が語源だという説もあるそうですが、どちらかというと「菊閉じ」のほうが風流かなと思います。

ただし、きれいな花が咲いているのに「閉じ」というのもかわいそうですし、房状の飾りの「菊綴」も言い得て妙なのでこれらを合わせて、菊が咲き終わる頃(菊閉じ)に咲き始めて、花盛りには房状の飾り(菊綴)のように咲き誇り、冬至の頃(菊冬至)に花を楽しめることから、読みは「きくとじ」で漢字に「菊冬至」を当てるのがよいのではないかなと個人的には思っています。

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