先月5月に深泥池の池畔に咲く白花のカキツバタ(杜若)を紹介しましたが、そろそろこちらの花が咲き始めているのではと思っていたところ、円山公園の祇園枝垂れの姉妹樹で、寺務所前に植えられた枝垂れ桜で有名な本満寺の本堂東側で見つけました。ハナショウブ(花菖蒲)の花です。
品種名はわかりませんが、淡桃色の花。ハナショウブと聞いて頭に思い浮かぶ典型的な咲き方だと、この花みたいに垂れ下がるように大きい外花被と立ち上がるような小さい内花被が3弁ずつ区別できる『三英花』で、いわゆる『垂れ咲き』と呼ばれる花容(咲き方)になるでしょうか。
花容でいうところの『平咲き』で、外花被と内花被の区別をつけない『六英花』だと、このような咲き方になりますね。
ハナショウブは古典園芸(伝統園芸)植物のひとつで、江戸時代に人気を博してたくさんの園芸種が作出されましたが、肥後藩の第6代藩主の細川重賢公が藩士の精神修養に園芸を奨励した「肥後六花」のひとつとしても知られています。
梅雨入りするとじめじめとして、気分までじめじめとしてしまいそうですが、外に目を向けると雨に似合う、雨に濡れそぼつ姿にこそ趣のある花が美しく彩る季節でもあります。