ちょっとだけお宅拝見!! Kさんご夫妻に無理言って見せていただきました。
およそ30年前に改築されたこの家には数寄屋造りのお部屋や回廊があり、専門の大工さんが駆使された技術や粋があちらこちらに見られます。
語源の「数寄」は茶の湯や生け花など風流を好むこと、「数寄屋」とは「好みに任せて造った家」で茶室を意味し桂離宮や修学院離宮が有名です。
タルキの天井(大雨が降り込んでの染みにKさん嘆いておられます)、もちろん廊下は畳敷き。
面皮柱と磨丸太(長押)の見事な組み合わせ。ちなみに壁も聚楽などではなく、まるで模様のように見える左官屋さんの腕です。
欄間も洗練されています。シンプルですが、とても手の掛かった細工。ここにも数寄屋造り独特の、虚飾を嫌い内面を磨いて客をもてなすと言う茶人たちの精神が垣間見られます。
見よ!!これが天然出絞だ!! 歳月とともにいい色になっていますね。
写真はほんの一部です。北山杉をふんだんに使ったお部屋、建てたばかりのような木の香りが漂い座っているだけで落ち着くのです。Kさん、大切なお家を見せていただき有難うございました。
≪おまけ≫
Kさん「あれを見てごらん。」あ、周囲の家々の屋根の上に小さな屋根が。
これは「煙ぬき」と言って、昔はどのお家にも囲炉裏があり上昇する煙を外へ逃がすためのものだそうです。
現代の換気扇のようなものでしょうか。本当に昔の人は良く考えたものです。生活の知恵、建築の美。
まだまだ、中川の魅力は尽きません。