最近は1月7日までを松の内とすることも多いようですが、やはり小正月の15日が一区切りのような気持がします。今日からお便りの挨拶も寒中お見舞いにしなくてはいけませんね。
これまでに代表的な北山丸太の種類、加工例をご紹介しました。今日は京都北山杉の里総合センター内にある、小会議室の中の北山杉を徹底チェックしようと思います。
純和風と思いきや…ありゃりゃ畳ではありません。この部屋は北山杉・北山丸太の装飾や建築美がひと目でわかるだけでなく、外国からの研修なども考慮に入れて立礼式のお茶会が出来る内装にしてあります。
もちろん、面皮柱が使われています。ここが出入り口の扉。
戸を開けてみると…鴨居のところはこんな風になっていますよ。釘は使ってあるのかな?
広くあかりが取れる窓には障子が。両側は面皮柱です。
天井には和紙がはってあります。この和紙は北山杉の荒皮を水圧で剥いた時に多量に出る細かい杉皮を混ぜて、あの手漉き和紙で有名な黒谷で漉いてもらったものです。
北山タルキを使用した照明意匠。写真の撮り方で何だか檻の中から見上げてるみたいに見えますが…
明るく柔らかいタルキの雰囲気が蛍光灯の灯りをやさしく、自然の光のように変えてくれます。
床の間は先ほど言いましたように立礼式のお部屋ですのでこういう感じで少し高い位置に作られています。
通常床の間は書院やお仏壇との色々な組み合わせがありますが、ここはシンプルに広さ重視型。
落し掛け(おとしがけ)が壁面の端から端まで通っています。そしてチョンナでハツってありますね。
落し掛けとは恐らく、床の間の掛け軸の付け根が外から見えないように考えられた建築では?奥行きによっては二重になっている場合もあります。
落し掛けが隠しているもう一つのものは…この床の間の目玉、取り替え式床柱です。
うまいことなっていますね!床柱も着替える時代ですよ、ナンチッデ^人造絞、磨丸太、赤松などの替え用丸太があります。
地袋の表板にも北山杉の杉皮入り和紙がはってあります。杉皮の繊維と独特のシブい色が丸太や床材の白色の中でピリリとポイントになっていますね。
さて…家具や小物は次回まとめてのつもりなんですが。ひとつだけ紹介しちゃいます。
これは2011年グッドデザイン賞を受賞したテーブルですが天板に注目です。
天板は天然出絞の板を合わせたものです。この杢、不思議ですね~!磨丸太や人造絞とは全然違います。
まさに自然の生み出す美、そして日々使うことで艶や味わいがより深くなって行くのでしょうね。
幾重にも描かれた年輪。杉たちの年齢はそこで終わっても建築材や家具という新しい命を授けられ、その年輪の数以上、それ以上の年月を人びとの傍で生き続けて欲しい。
次回はそんな優しい家具や愛らしいおもちゃをお届けしようと思います。
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