エリア55レポート 

趣味を追求するオタクな日々

『モーリス』の話を引きずるヤツ

2018年03月03日 | 洋画


『モーリス』を完全にネタバレします。ネタバレ拒否の方は読まないでください!





私のツイッターのタイムラインでは「モーリス」がめちゃくちゃ話題になってるんだけど(お察し^^;)
いろいろ読んで思うことを書くことにしました

コメントではモーリスとクライヴを勘違いでしたけど
クライヴはゲイではないと寄せられましたね

皆さんはどうお考えですか?

実は私はクライヴもゲイなんだと思っています
といっても原作の表現は忘れてしまってるんで
映画を見ての解釈です

映画を見る限りでは私はクライヴのことは
本来はゲイなんだけれど
友人が逮捕され人生がめちゃくちゃになってしまったのを目の当たりにし
自分もそうなることを恐れて異性愛者の振りをすることにした、と思ってます

クライヴはそうやって自分を偽って生きていくことを選んだのですが
モーリスはスカダーと出会い自分の本当のあるべき姿を受け入れ
残りの人生は自分に正直になりスカダーと共に生きていくことを選んだ
と思ってます

映画のラストシーンではクライヴが窓の外を見つめ
学生時代のモーリスの姿が映し出されて終ります
あのモーリスの姿はクライヴの失ってしまった人生で
彼はモーリスを羨ましく思っていることが表現されてるんじゃないかと思ってます

モーリスがスカダーと共に生きていく人生を選んだことを
”スカダーに地獄に引き込まれた”
というふうにとらえている人がいるのをツイッターで知って
私は少し驚きました
モーリスは自分のあるべき姿を見つけ受け入れることができたので
この映画の中では彼こそが勝利者なのだと思っているからです

ただ勝利と言っても彼の人生がその後順風満帆とは思えません
彼らは同性愛者だということが世間にばれてしまえば迫害を受けたり
犯罪者として逮捕される恐れがあります
だから幸せになれるという意味では完全なハッピーエンドとは言えないですね

それでも自分を偽って生きていくクライヴが真の意味では敗者として描かれているのだと思っています


この小説が作者の死後になるまで出版されなかったということが
ひどく悲しく感じられます
同性愛者ということを受け入れ生きていくモーリスを描きながらも
自身はそれを隠す人生を歩まなければいけなかったからです
(フォースターが生前に同性愛者であることを公表していたとしたら、知識不足です。すみません)



モーリス (扶桑社エンターテイメント)
E.M. Forster,片岡 しのぶ
扶桑社







**コメントありがとうございます
モグモグさん
勘違いしやすいですよね^^







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1 コメント

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題名はわすれましたが (タイコ)
2018-03-03 15:13:28
フォスターの自伝みたいな本があり読みました。
それによると、彼は少年の頃に成人男性から性的被害に遭われたそうです。
あと女性からプロポーズされたけど、断ったとありました。

確か自分の性的指向には言及してなかったと思います。

モーリスのあとがきかで、2人はきこりになって森で隠れて生活した。みたいなことが書かれた覚えがあるんです(記憶が曖昧^_^;)

どこかで2人が結ばれたのは肉欲だけみたいなことをいう記事を見ましたが、私は違うと思いました。

出会ってから、短い間に距離が縮んだ2人でしたが、本当に相手を思いあったんだと思う。

モーリスは不審に思われるのを承知でスガターを引き留めに船まで行ったし、スガターもアメリカに行けば、身分関係なく紳士になれたかもしれないのに、モーリスの愛を信じてボート小屋にいったんですよね。

社会的安定より、不安定でも2人で暮らす決断をした彼らには、当時はきこりになるしかなかったという社会状況。

一方安定を選んだクライブは、確か原作だとクライブの奥さんはあんまりきれいじゃないとか、2人の性行は服を着たままとか、クライブは禿げたとか、さんざんな書かれようだった気が...。

長文失礼しました。
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