お約束通り戻ってきました!
『モーリス 4Kレストア版』鑑賞しました!!!
冒頭の先生が教え子のモーリスに”体の発達”を説明するシーンで泣き
ラスシトーンで泣きました
エンドロールが終わりプレイヤーからディスクを出しケースに仕舞い
それからしばらく経ってもまだ泣いていました
何で泣いてるのか自分でもわからなかったからです
いや、言葉で説明するなんて、そんな陳腐なことを考えてる自分がバカに思えて
しばらく感情が押し寄せるままにしていたのです
何でそれほどラストシーンに感動したのか…
今回でたぶん「モーリス」は3回目かそれ以上目なんですよね
劇場公開ではこの映画は見ていなくてレンタルビデオで見たのですが
1度では満足できず何回か借り直したんじゃないかと思うのです
でも今までずっと「ヒュー美しい」で見てて
それほどこの映画を見てはいなかったんだと思います
「モーリス」はタイトルになっている青年モーリスが主人公です
でも私と一緒で世間一般もヒュー・グラントが売りになっています
わかります!だってヒュー美しいもんw
でもそれが逆にすごく気になってしまっていて…
昨日も少しツイッターでフォロワーさんとやりとりしたのですが
平凡なモーリスを演じたジェームズ・ウィルビーがあまりにも平凡なので
その後あまり目立たない役を演じる俳優になってしまった
もっと存在感のある役を演じてほしい
なんてことを話したのでした
そんなこともあって今回はヒュー鑑賞ではなく
映画そのものとモーリスを中心に観ました
モーリスと言う青年は平凡で
クライヴのように処世術に長けているところがありません
純粋と言ってもよく
だからこそいろいろと迷う、悩むことも出てきます
クライヴは二人の友人のリズリー卿の事件で怖気づき
モーリスとは距離を置きたがりますが
それでも結構ずるいところが多いですね
ギリシアから帰ってきた晩モーリスが不在で家族が彼を出迎えます
モーリスの妹の声がモーリスに似ていると言うところ
あそこで彼はモーリスの妹と結婚してもいいんじゃないかと気づいたのだと思います
安全に暮らしていくためにクライヴは偽りでもいいから女性と結婚して
そしてモーリスとも何となく関係を続けたかったのではないかと思うのです
モーリスに似ているところを発見して”これはいい”と思うわけです
そこに自分の欲望の落としどころを見つけた感じです
でも上手くはいきません
モーリスが妹に嫉妬をしてしまうから
彼は別にクライヴから妹がいいとか聞いていませんけど
察してしまうというかゲスな勘繰りをしてしまうというか
彼らはいわゆる痴話げんかをして疎遠になってしまいます
その後結婚式に強引に参加させたりとクライヴの無神経さが描かれますが
クライヴはモーリスと離れようとするものの完全に関係は絶ちたくない
モーリスを自分の目の届くところに置いておきたいのです
そのせいでモーリスは余計に苦しむのですが
クライヴって結構嫌なヤツですね!
誘ったのはクライヴだし別れを言い出すのもクライヴ
なのに完全に離れてしまうのは嫌で自分の周りに引き留めておきたい
そのクライヴの屋敷の狩り番のアレックがモーリスに惹かれていきます
「アレックのせいでモーリスが奈落に落とされる」というような感じのツイートを読んだことがあって
以来私はそれに納得できないでいるのですが
アレックは純粋にモーリスに恋をしていますよね
ただそれが教養のなさなどが手伝って肉欲に直結してしまうのですけど
彼は自分の欲望に素直です
だからモーリスともすぐに肉体関係になります
その翌朝、執事がモーリスを起こしに来て
「やっとはしごを外したな」というセリフを言うんですが
かなりドキッとしてしまいました
”はしご”は二人が密会する必須アイテムなんですが
それが身分違いの象徴でもあるからなんです
最初執事のセリフは身分の壁が取り外されたことを意味してるのだと思ったんですが
それは勘ぐり過ぎですよね?
あそこはそのまま執事が二人の情事を知っていると受け取るのがいいと思い直しました
で、その後クリケットの試合でアレックとモーリスがいい感じでプレーしていると
戻ってきたクライヴが二人の間に割り込むようにしてアレックに変わります
あそこやっぱりクライヴは二人の関係になんとなく感づいてるのだと思うのです
それで割り込む
クライヴはモーリスを手放したくはないんです
クライヴが何度もモーリスに結婚を勧めるのも
お互いに結婚を隠れ蓑にして関係を続けたいと思ってるからなんだと思います
ただクライヴはモーリスと愛人関係みたいな関係を持ちたいとは思ってないだろうと思いますが
彼はモーリスとは親友でありつづけたい
でもモーリスが望むものはそれ以上の関係です
二人の気持ちはすれ違ってます
クライヴは安全地帯にいる状態ならば、もしかしたらモーリスとそれ以上の関係を持ってもいいと
将来的に考えるようになったかもしれませんね
でもモーリスはもっと自分に正直というか嘘を付けない
真っすぐなところがありますから
そんな状態は嫌なんですよ
クライヴの立場ならモーリスを手放したくないと絶対的に思うでしょうが
モーリスの立場ならそれではつらすぎますよね
誰でもそう感じるはず
クライヴはずるいです!
アレックはワルなのかと思わせるシーンもあるんですが
それは教養のなさがさせているだけで
自分の気持ちを上手く表現できないだけです
情熱的ですし分別を考えるゆとりもありません
アレックがアルゼンチン行の船に乗らなかったことで彼の気持ちに気付いたモーリスが
ボート小屋に行く途中でクライヴを訪ね二人で話します
そこでかなり詳しくセリフでアレックとモーリスの気持ちが語られていたんですね
今まで気づいてなかったというか…ヒューばっかり見ていたというか^^;
ここで二人の気持ちをクライヴに伝え
そしてボート小屋で二人が再会します
これが本当に最終シーンになるのですが
クライヴの館の戸締りを執事がします
そのあと寝室に行ったクライヴが妻に偽り(だと思う)の笑顔を見せ
そして戸締りをします
鎧戸を閉めるのが…すごく象徴的な感じがして
彼は外の二人(アレックとモーリス)から自分の身を守るために鎧を身に付けるのだと思いました
しかし最後の鎧戸を閉めようとしても
完璧な鎧を身に付けようとしても
その向こうには自分の本当の気持ちに正直に従ったモーリスの姿が見え
クライヴが失ってしまった物の大きさを彼は身に染みて感じるのだと思います
そのシーンが
そのシーンが本当に私には何と言っていいか
涙せずにはいられなかったのです
クライヴの失ったもの
モーリスとアレックが得たもの
クライヴが失った物の大きさに気付いた瞬間の
ヒューの表情がとても寂しげで
涙せずにはいられなかったのだと思います
財産や名声を失えないで空虚な未来しかないクライヴと
それらを失ってでも自分を貫こうとするモーリス
凡庸な青年であるモーリスの方が強い信念を持っていて
真の愛を手に入れることができた
二人にはこの先やはり苦しい生活が待っているのでしょう
しかし時代が彼らの正しさを証明してくれます
蛇足
アレックがロンドンにモーリスを訪ねたときに
冒頭の浜辺のシーンでモーリスに教えてくれる先生に再開しますね
そのときにモーリスが「スカダー」と名乗るんですが
これって”君の名前で僕を”名乗ってるシーンですよね!
なんか二つの映画ってここのつながりあるんですか?
(脚本家がジェームズ・アイボリーである以上の)
蛇足2
この映画1987年公開なのですでにエイズ危機後なんですね
その時期にこの映画が公開された意味は大きかった気がします
書き終えて読み直してみると
前回「モーリス」の感想を書いたときと大して違ってない気がする・・・
感動して泣いてるけどちっとも自分は成長してないんじゃないか?
うーん上手く伝えられない自分が残念すぎる;;
**コメントありがとうございます
進さん
お言葉に甘えて引っ張りました^^
タイムトラベルというと歴史的な事件を解決したり
事故を起こさないようにしたりとヒーローになる感じが多いですけど
この映画は何気ない日常が幸せなんだよ
と教えてくれる優しい映画でした^^
朝顔はがんばれば11月でも家の中で咲くことあったwww
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