Lady Ella

ひとり語り・・・

「おばちゃん、マケて」

2015-08-30 04:52:47 | 酔言
 「あ~ちびカツが食いてぇ~」と、なった私は近所の肉屋に寄る。


 惣菜コーナーに既にちびカツはなかったのだが、まだ間に合う。揚げてくれるのだ。

 私の前には小学生と思しき2人連れ。たぶん・・・兄弟。

 「ボクは肉じゃがコロッケに串かつ・・・それと・・・」
 「あっいつものようにレシート、お金は別々に・・・」
 「これで、ボクは340円くらい・・・妹は・・・これで・・・ほら自分で選べよ」


 横にいる弟らしき少年に指示を出す。


 「お前も340円くらい、計算できるだろう?」

 「ボ・ボ・ボクねぇ、ハムカツにガブリ・・・」

 「あっハムカツはないから揚げるからちょっと待ってくれる?」って、おばちゃん。


 「ちょっと時間がないから・・・」

 「おい・・・シューマイ2個にしろよ、それになんかコロッケ選んで・・・」

 
 「う・ううん・・・じゃ~それに野菜コロッケください」


 「はいはい。え~と、ちょうどそれで340円」



 ・・・・・固まった兄。手の中に残っていたのは335円。


 「おばんちゃん・・・マケて」「335円しかなかった」


 「う・うん・・・いいわよ。おニイチャンしっかりしてるからねぇ」



 確かに・・・この兄、しっかりしている。言葉使いも丁寧だ。

 それに、たぶん、1000円で兄弟3人ぶんのおかずを買いにきている。


 ちょっと楽しくなった私は財布の中を確認する。あった。1円玉が5枚。


 「おい・・・」そーっと弟に声を掛ける。

 「使え」5円渡す。


 「いえ・・・困ります」「大丈夫です」声がでかい。


 めざとく気付いた兄は・・・

 「大丈夫です。大丈夫ですから」って言う。


 「大丈夫じゃ~ねぇよ。おばちゃん、あとでレジが合わなくなっちまう」「使えよ」


 「ありがとうございます。ボクは○○小学校5年、○○○○です」


 「あはははは・・・えらいな。しっかりもんだ」本当に愉しくなる。

 

 
 おばちゃんは微笑んでる。私の意図するところを汲んでくれたようだ。


 金の問題じゃ~ないんだ。みんなが出来そうなことをしようとしただけ・・・



 「しっかりもんのおニイチャンでねぇ・・・あっちびカツ・・・350gも揚げちゃった」

 
 「いただきます」

 おばちゃんもしっかりもんである。


 まだまだ・・・がんばらねばならない私である。

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