同室になったOちゃんは前日の仕事が終わりそのまま合流。車中でどの位寝たのかな・・・あまり寝てなかったと思う。シャワーを浴びた後にベッドに横たわった瞬間から爆睡。私はと言うと、やはり、かな~り興奮していたんだろうなぁ・・・疲れて酔っているのにも関わらずに眼は冴えている。それでも30分程霧のような眠りを漂っていた。
突然に電話のベルが鳴り「下のバーにいます」と言われて切れる。スックと起き上がれる自分にビックリしながらOちゃんを見ると・・・爆睡。まぁ、いっかと支度を済ませ階下へと降りてゆく。
泊まったホテルの1階がアイリッシュパブになっていて、けいじ、ヒサ坊、たもちゃんがビールを飲んでいる。「寝ないと思ってましたよ」「もの凄くビールが美味い」ってな事を勝手に言いながらどの顔も満足気である。私もエールを頼み今宵の予定を立てていく。時間は5時半。けいじがパブの店員にいい居酒屋さんはないですかねぇ、みたいな事を聞いている。何軒かの店を紹介してもらいしばし歓談する。程なくして眠そうな目を擦りながらOちゃんも降りて来て居酒屋さんへと出発する。
仙台のね、街はでかい。国分町だけでもかなりの広さだ。言われた市場直送なんちゃらってな居酒屋さんはその中でもメインになるのかな、定禅寺通りに面したビルの2階にあった。「いいんじゃない、ここで」ってな事を言いながらいざ階段に向かっていくとけいじが・・・「養老の瀧グループって書いてあるけどいいの?」なんて事を言う。「え~そりゃ~よそうよ、せっかくここまで来たんだからさ」と言う意見が皆から上がりその店は却下となった。さぁ、漂泊の始まりだ。なにしろ街がでかい。情報はない。あとは酒飲みの経験と勘に頼るしかない・・・
いくつかの裏路地を覗いて1軒の小料理屋然とした店に狙いを定める。古い。引き戸はガタピシと音を立てそうである。しかし、だからこそ観光客なんかはちょいと立ち寄りそうも無い。私の経験から言わせて頂くとこの類のお店は当たりか大外れになる。ええい、ままよと暖簾を潜り引き戸を開ける。「いらっしゃ~い」50過ぎくらいの店主がなんでもなく出迎えてくれる。小上がりに定位置を定めてどっかと腰を下ろす。7坪ほどの小さな店。しかし品書きにはびっしりと魚のメニューが並ぶ。ただ、嬉しい事にそれ以外にも定番の居酒屋メニューもある。これまた私の経験なのだが、港に、海に近い居酒屋で魚のメニューばっか並んでいる所は往々にして外す。美味いのだけれども高いばかりであったり、妙な高級志向に走っていたりする。内心、笑みが零れる私は壁に並んだ1升瓶の浦霞のキープボトルにも必然頬が緩みっぱなしになる。
「浦霞の原酒を4合瓶で・・・あっその前にビンビールも3~4本下さい」「はぁいよ」「ばくらいってなぁ、なんなんでしょう?」「ホヤの塩辛ぁ」「じゃ~それと、塩鯨に、ホタルの沖漬け・・・」あれにそれを頼む。ふふふ・・・多分、当たり。大丈夫。付き出しに魚のアラ汁が運ばれて来た。キンメかなんかのアラを主体に何種類かの魚が入ってる。それに葱と生姜がチラり。それを塩、かなり強い塩で調味してあるだけ。美味いのねぇ。「さぁ~て好きなものをジャンジャン頼んじゃってよ」そんな私の言葉は全く無視されて皆が思い思いのあてを頼んでゆく。
ケロケロと1本目の酒は空き、コップ酒を注文する。「コップのね、お酒は高いから徳利にしなさいな」と2合の徳利が運ばれてくる。私はね、ホヤがあまり得意ではなかった。しっかしねぇ、この『ばくらい』と呼ばれる塩辛???はうんまいの。あの特有の磯臭さがね、あまりない。そこに持って来て絶妙の塩とあの粘りつくようなホヤの甘味。こりゃ~ねぇ、酒が進む。それに塩鯨。こいつぁ~ねぇ、衝撃的に塩辛い。塩辛いもん好きの私でも痺れた。しかしその塩により極限まで脱水された鯨の滋味がね、またまた酒を誘う。当然のように2本目の4合瓶の浦霞が届く事と相成る。
その頃になると私たちのメーターはほぼレッドゾーン。その勢いにつられて物静かだった店主も饒舌になってくる。「お客さん達、どっから?」「美味いんじゃ~これを食ってみ」そんな会話にカウンターで一人ウィスキーの水割りを舐めていた常連と思しきおっちゃんも参加してくる。ひとしきりそれぞれのお国自慢的酒の肴の話しに花が咲く。昼間も思ったのだけれど北の人はシャイだ。あまり社交的ではない。けれどもね、一度その懐に飛び込んでしまえばもの凄く温和に優しい。
「ボチボチ時間ですよ」ヒサ坊がライブの時間を私に告げる。「うんうん、そうだね。ただ今ちーっとこの酒と肴を頂いてしまおう」「そうですね、うん、そうしましょう」なんてな会話をしていたら店主が、「これ食わな、仙台に来たことにゃならんよ」って言いながらなんだか例えは悪いけれど鹿の脳味噌っくらいある魚の白子を持って来てくれる。これがねぇ、ごめんなさい。魚の名前は聞いたのだけれども忘れてしまった。でもね、もの凄く濃厚で美味い。私ゃ~未だかつてあんなにでっかくてプリップリの白子を食った事がなかった。「おやっさん、浦霞もうんまいのだけれども、こう、なんてのこの辺りでしか飲めないうんまい地酒ってあります?この白子にビタっと合っちまうような」と聞いてみると、一言。「綿屋」「こりゃ~うんめぇよ」「そ~ですか・・・じゃ~それってここにあります?」「ない」「駅の北っかわにあぶぅはつぅって酒屋があるからそこで買ってきな」と大体の場所を教えてくれた。そう、そしてこのあぶぅはつぅって酒屋が後々に大問題になってゆくのだがそれはまた別の稿で・・・
そんなこんなで時刻は8時近く。ドヤドヤと別のお客人が入ってきたのを見計らって席を立つ事にする。勘定をお願いして店を出ようとするとしっかり者のけいじが明日の昼御飯に行くすし屋の情報を親父さんに聞いていた。「どこもね、う~ん・・・」なんて選びかねていると後から来た、これまた常連と思しき50がらみの会社員風のおじさんが、「ここ、ここ、私の付き合いのある店だけども美味いから、保証するから寄ってあげて」「今、住所を書くから親父、紙紙」なんて丁寧に住所を書いてくれてその方の名刺まで頂いた。
す~っかり、いろんな意味で気分が良くなってしまった私達は覚束無い足元も軽やかに・・・勇躍仙台の夜の街へと消えていった・・・
おお~っとぉ~・・・ライブハウス・ヘブンさんでのTK&BLUES・BLASTERS with TAD・MIURAのお話しまでしようと思ったのだけれども・・・紙数が尽きましたな・・・と言う訳で続きはまた・・・・・
突然に電話のベルが鳴り「下のバーにいます」と言われて切れる。スックと起き上がれる自分にビックリしながらOちゃんを見ると・・・爆睡。まぁ、いっかと支度を済ませ階下へと降りてゆく。
泊まったホテルの1階がアイリッシュパブになっていて、けいじ、ヒサ坊、たもちゃんがビールを飲んでいる。「寝ないと思ってましたよ」「もの凄くビールが美味い」ってな事を勝手に言いながらどの顔も満足気である。私もエールを頼み今宵の予定を立てていく。時間は5時半。けいじがパブの店員にいい居酒屋さんはないですかねぇ、みたいな事を聞いている。何軒かの店を紹介してもらいしばし歓談する。程なくして眠そうな目を擦りながらOちゃんも降りて来て居酒屋さんへと出発する。
仙台のね、街はでかい。国分町だけでもかなりの広さだ。言われた市場直送なんちゃらってな居酒屋さんはその中でもメインになるのかな、定禅寺通りに面したビルの2階にあった。「いいんじゃない、ここで」ってな事を言いながらいざ階段に向かっていくとけいじが・・・「養老の瀧グループって書いてあるけどいいの?」なんて事を言う。「え~そりゃ~よそうよ、せっかくここまで来たんだからさ」と言う意見が皆から上がりその店は却下となった。さぁ、漂泊の始まりだ。なにしろ街がでかい。情報はない。あとは酒飲みの経験と勘に頼るしかない・・・
いくつかの裏路地を覗いて1軒の小料理屋然とした店に狙いを定める。古い。引き戸はガタピシと音を立てそうである。しかし、だからこそ観光客なんかはちょいと立ち寄りそうも無い。私の経験から言わせて頂くとこの類のお店は当たりか大外れになる。ええい、ままよと暖簾を潜り引き戸を開ける。「いらっしゃ~い」50過ぎくらいの店主がなんでもなく出迎えてくれる。小上がりに定位置を定めてどっかと腰を下ろす。7坪ほどの小さな店。しかし品書きにはびっしりと魚のメニューが並ぶ。ただ、嬉しい事にそれ以外にも定番の居酒屋メニューもある。これまた私の経験なのだが、港に、海に近い居酒屋で魚のメニューばっか並んでいる所は往々にして外す。美味いのだけれども高いばかりであったり、妙な高級志向に走っていたりする。内心、笑みが零れる私は壁に並んだ1升瓶の浦霞のキープボトルにも必然頬が緩みっぱなしになる。
「浦霞の原酒を4合瓶で・・・あっその前にビンビールも3~4本下さい」「はぁいよ」「ばくらいってなぁ、なんなんでしょう?」「ホヤの塩辛ぁ」「じゃ~それと、塩鯨に、ホタルの沖漬け・・・」あれにそれを頼む。ふふふ・・・多分、当たり。大丈夫。付き出しに魚のアラ汁が運ばれて来た。キンメかなんかのアラを主体に何種類かの魚が入ってる。それに葱と生姜がチラり。それを塩、かなり強い塩で調味してあるだけ。美味いのねぇ。「さぁ~て好きなものをジャンジャン頼んじゃってよ」そんな私の言葉は全く無視されて皆が思い思いのあてを頼んでゆく。
ケロケロと1本目の酒は空き、コップ酒を注文する。「コップのね、お酒は高いから徳利にしなさいな」と2合の徳利が運ばれてくる。私はね、ホヤがあまり得意ではなかった。しっかしねぇ、この『ばくらい』と呼ばれる塩辛???はうんまいの。あの特有の磯臭さがね、あまりない。そこに持って来て絶妙の塩とあの粘りつくようなホヤの甘味。こりゃ~ねぇ、酒が進む。それに塩鯨。こいつぁ~ねぇ、衝撃的に塩辛い。塩辛いもん好きの私でも痺れた。しかしその塩により極限まで脱水された鯨の滋味がね、またまた酒を誘う。当然のように2本目の4合瓶の浦霞が届く事と相成る。
その頃になると私たちのメーターはほぼレッドゾーン。その勢いにつられて物静かだった店主も饒舌になってくる。「お客さん達、どっから?」「美味いんじゃ~これを食ってみ」そんな会話にカウンターで一人ウィスキーの水割りを舐めていた常連と思しきおっちゃんも参加してくる。ひとしきりそれぞれのお国自慢的酒の肴の話しに花が咲く。昼間も思ったのだけれど北の人はシャイだ。あまり社交的ではない。けれどもね、一度その懐に飛び込んでしまえばもの凄く温和に優しい。
「ボチボチ時間ですよ」ヒサ坊がライブの時間を私に告げる。「うんうん、そうだね。ただ今ちーっとこの酒と肴を頂いてしまおう」「そうですね、うん、そうしましょう」なんてな会話をしていたら店主が、「これ食わな、仙台に来たことにゃならんよ」って言いながらなんだか例えは悪いけれど鹿の脳味噌っくらいある魚の白子を持って来てくれる。これがねぇ、ごめんなさい。魚の名前は聞いたのだけれども忘れてしまった。でもね、もの凄く濃厚で美味い。私ゃ~未だかつてあんなにでっかくてプリップリの白子を食った事がなかった。「おやっさん、浦霞もうんまいのだけれども、こう、なんてのこの辺りでしか飲めないうんまい地酒ってあります?この白子にビタっと合っちまうような」と聞いてみると、一言。「綿屋」「こりゃ~うんめぇよ」「そ~ですか・・・じゃ~それってここにあります?」「ない」「駅の北っかわにあぶぅはつぅって酒屋があるからそこで買ってきな」と大体の場所を教えてくれた。そう、そしてこのあぶぅはつぅって酒屋が後々に大問題になってゆくのだがそれはまた別の稿で・・・
そんなこんなで時刻は8時近く。ドヤドヤと別のお客人が入ってきたのを見計らって席を立つ事にする。勘定をお願いして店を出ようとするとしっかり者のけいじが明日の昼御飯に行くすし屋の情報を親父さんに聞いていた。「どこもね、う~ん・・・」なんて選びかねていると後から来た、これまた常連と思しき50がらみの会社員風のおじさんが、「ここ、ここ、私の付き合いのある店だけども美味いから、保証するから寄ってあげて」「今、住所を書くから親父、紙紙」なんて丁寧に住所を書いてくれてその方の名刺まで頂いた。
す~っかり、いろんな意味で気分が良くなってしまった私達は覚束無い足元も軽やかに・・・勇躍仙台の夜の街へと消えていった・・・
おお~っとぉ~・・・ライブハウス・ヘブンさんでのTK&BLUES・BLASTERS with TAD・MIURAのお話しまでしようと思ったのだけれども・・・紙数が尽きましたな・・・と言う訳で続きはまた・・・・・
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