古事記 上つ巻 現代語訳 七十
古事記 上つ巻
天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命の系譜
書き下し文
是の天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命、其の姨玉依毘売命を娶ひて、生れませる御子の名は、五瀬命。次に稲氷命。次に御毛沼命。次に若御毛沼命、亦の名は豊御毛沼命、亦の名は神倭伊波礼毘古命。四柱。故、御毛沼命は、波の穂を踏み、常世国に渡り坐し、稲氷命は、妣の国と為て海原に入り坐す。
現代語訳
この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひたかひこなぎさたけうかやふきあへずのみこと)は、その姨(おば)・玉依毘売命(たまよりびめ)を娶いて、生まれた御子の名は、五瀬命(いつせのみこと)。次に稲氷命(いなひのみこと)。次に御毛沼命(みけぬのみこと)。次に若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、またの名は豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)、またの名は神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)。四柱。故、御毛沼命は、波(なみ)の穂(ほ)を踏み、常世国(とこよのくに)に渡り坐(ま)した。稲氷命は、妣(はは)の国として、海原(うなはら)に入り坐(ま)した。
・波の穂(なみのほ)
「穂」は高く目立っているもの)波の高く立った所。波のいただき。なみがしら。
・常世国(とこよのくに)
1・死者の行く永遠の世界。黄泉の国。2・海のかなたにあると考えられた不老不死の国
現代語訳(ゆる~っと訳)
この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命は、その叔母・玉依毘売命と結婚して、生まれた御子の名は、五瀬命。次に稲氷命。次に御毛沼命。次に若御毛沼命、またの名は豊御毛沼命、またの名は神倭伊波礼毘古命。
四柱。
この、御毛沼命は、波のいただきを踏んで、常世国に御渡りになり、稲氷命は、母の国ということで、海原にお入りになれました。
続きます。
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