花と文。(暮らしと本と花と)

日々の心に残る記しておきたいこと。

三千院の春に。

2016年03月31日 | 旅するように

21年前に一度訪れたことがある。

京都、大原にある三千院へ。

薄雪の三千院が一番で、二番は一般的には紅葉の時期、桜のこの季節は

七番くらいかな~(笑)とは、帰り道に出会った地域に住むお店のご主人らしき方。

「静かで、よろしおすやろ?」と声をかけてくださった。

訪れる外国人もほとんどいなくて

平日とはいえ、京都というには珍しく穏やかそのものの風情だった。

創建は傳教大師最澄上人(767~822)が

比叡山延暦寺建立の際、草庵を結ばれたのに始まります。

・・・天台宗五箇室門跡の一つで、当院は皇子、皇族が住職を

勤めた宮門跡です・・・(リーフレットより)

三千院といえば、この緋毛氈。

このお堂から見る庭園には

流れる水の計らいの音が静寂の中に

春の白いやわらかな気と共におだやかに

私たちを迎えてくれた。

自然の中に溶け込み

丁寧に守られてきた大切なお寺

刻一刻と流れゆく自然は生まれては消えて

表情を変えていくのだろう。

自然がほとんどでその中にお寺があるのだ。

 

お堂からは広い庭に出る。

 

落ち椿~散り落ちた椿の花。

重要な教えがあちらこちらに。「忘己利他」(もうこりた)

「己れを忘れて他を利するは、慈悲の極みなり」

・・・・

1000年以上も昔からある三千院、その印象は

厳かであり、清潔に整えられ

人々を迎えいれても、歴史のままに存続させている。

古い。

私が帰郷して、行くお寺そのものであり

質素であった。

苔の手入れの仕事をしている人が二名

ひれ伏すように頭を地面に近づけて手で何かを選別しているかのよう。

みどり色の上質のベルベット

苔の美しさ

自然に目をやり、生かすように人の手が加われば

季節ごとに見せる顔を変え、訪れる人に四季の移ろいの実感を

与えてくれるのだろう。

「その四季ごとに来てみたいね、紫陽花の頃にはまた奇麗だろうね」

三千院は素晴らしい自然に出会える場所だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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