炎が見えるストーブで育った。
火を見つめると落ち着くのはなぜだろう、
燃えるというのは、消えていくということでもあり、
あるものがなくなるということでもある
キャンドルに火をつける
蝋がとけていく、火を見つめる、ゆらゆらとかたちを変えながら
自然と意識はそこ一点に集中している。
触れることはできない
触れてはいけない
だからこそ、なのか
近づきがたく、離れがたく、いつまでもそこにいたいと思うのに
いつ消そうかと、タイミングを探している
・
さて、夜、眠る準備をしたら
キャンドルに火を点けようか、
・
心はきっと落ち着くのだろう
そうして
子供だったころを思い出している
冬の北国の部屋の中を
石油ストーブと呼んでいた
昔々のことを。