花と文。(暮らしと本と花と)

日々の心に残る記しておきたいこと。

そっと染まらずに。2

2016年07月28日 | ひとりの芸術家

 

 偶然にチケットをいただいたという縁で、訪れた美術館。

日頃、そういうことはよくあること。とはいえ、それもまた出合い、縁というのは

どこからやってくるのか、自分が何に敏感で、何を求めて生きているのか

引き寄せるのかなと、ずっと感じてきたことです。

川村悦子さんというお名前は、存じ上げていませんでした。

そして、美術館に一歩踏み入れて、そこにある一室に少ないけれど洗練された

その人ならではの(見たことのない)作品は、空間に溶け込み、そのものを際立たせて

どこまでも品よく、観るものの心は掴まれました。

     

   ~今から11年前、イタリアのミラノで半年を過ごした。誰も知り合いのいない秋のミラノは落ち葉が美しく

    夜の仄暗い照明の中で人々も建物も温かく輝いていた。

    季節は秋から冬へ、そして春が巡った。・・・・・

    若い恋人達も思い思いの場所で語らい、緑の樹々群を背景に彼らのシルエットや衣服の彩りが美しく、

    まるで「生きた絵画」を見ているようだった。・・・・・・・

                           「ありふれた季節 川村悦子さんの文より」

 

     

  

   

         

      蓮のこと

     ・・・・こだわって描きたいのは蓮の葉っぱのきめ細やかさ。そこに降り注ぐ光と影。・・・・・

 

     

   

    屋内から外を描いている。窓の曇る感じ、結露が出来ている。1988年の作品です。

    単純に面白い作品だと思ったのです。

   ~色鮮やかなイタリアの街並みを、ある種のフィルター越しにしか感得できない自分がいる。イタリア美術への

    果てしない憧れを抱きながらも、それを無自覚に内面化できない葛藤が、この半透明のガラスという形象に視覚化されて

    いるのではないか。・・・・~展覧会の説明文より抜粋

    

      

 

      BELLINI 1998年 

                    

                    《道》2012年 東京オペラシティー アートギャラリー蔵

  

    ぽっと行って、少しの時間拝見し、それをこんなふうに勝手に書いてしまっています。

    恐縮しつつも、この美しい絵画への感動は、たしかなものとして私の心に残ったのです。

 

  

・・・・・

 そっと染まらずにいたいと、思うことしきり。きっと誰しもあるのかなと感じていますが。

 このような展覧会に足を運ぶとき、ある一つの、あるいは何か、大小さまざまな世界を見つめた一人の人が

 深く広く、どこまでも追及していくこと、その生きる姿勢に、心洗われる・・・

 感動とはそういうところからいつも生まれるように感じています。

 

✳︎(今回の展示は、個人使用に限り写真撮影がOKとのことでした。)

   

 

 

 

  

 

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