寺山修司
『さよならだけが人生ならば』
さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう
はるかなはるかな地の果てに 咲いている野の百合何だろう
さよならだけが人生ならば めぐり会う日は何だろう
やさしいやさしい夕焼けと ふたりの愛は何だろう
さよならだけが人生ならば 建てた我が家は何だろう
さみしいさみしい平原に ともす明かりは何だろう
さよならだけが 人生ならば
人生なんか いりません
『だいせんじがけだらなよさ』
さみしくなると言ってみる ひとりぼっちのおまじない
わかれた人の思い出を わすれるためのおまじない
だいせんじがけだらなよさ だいせんじがけだらなよさ
さかさに読むとあの人が おしえてくれた歌になる
さよならだけがじんせいだ さよならだけがじんせいだ