2020年、唐突にテイラー・スウィフトのアルバム「フォークロア」が発売された。
もう3年以上前、新型コロナで幽閉されて数ヶ月が経過した夏である。
BBCラジオ1からリード曲「Cardigan」が流れてきて、衝撃を受けた。
「なんだこれは!」
迷わず、CDを買っていた。
彼女を初めて知ったのは、2012年にこの曲が日本でも大ヒットしたからだ。
アルバム「Red」も聴いた。
で、そのPOPセンスに打たれて次のアルバム「1989」はレコード盤を購入するに至る。
まあ言ってしまえば、POPセンスに優れた流行アーティストの位置付けで気に入っていたわけである。
しかし、流行アーティストって、飽きてしまう。
2019年の「Lover」までは、まあサブスクで聴けば十分という位置付けになっていた。
ところが、「Folklore」は全然違うのである。
アルバムを通して聴けるクオリティで、曲によるばらつきがない。
一方で、いかにもヒットを狙った派手な曲もない。
そう、全曲が途方も無いPOPセンスで彩られながら、妙にヒット狙った曲が皆無なのである。
そのあまりの素晴らしさに、CDを持っているのにレコード盤も購入してしまった。
・サブスクでいいや
・CDでいいや
・レコードが欲しい
私の作品・アーティストの評価は上記の順で進化していく。
テイラー・スウィフトの場合、「1989」はいきなりレコード購入にいたったのだが、それはリード曲「Shake it off」があまりにも好みのPOPヒット曲だったから。
アルバムとしての完成度は、そこまでではなかった。
彼女の作ってきたPOPヒット曲の中では、いまだに一番好き。
しかし、「Folklore」でのクオリティ深化は半端なく、次作「Evermore」はサブスクでいいやになったものの最新作「Midnights」ではいきなりレコード盤を購入。
サブスクでアルバム全体を聴いて、これまたハズレなしの名曲揃いだったからだ。
もはや、テイラー・スウィフトは私にとって流行アーティストではなくなった。
コンスタントに素晴らしい作品を生み出す超一流アーティストという位置付けになっている。
本当は全オリジナル・アルバムをレコード盤で揃えたいくらいだけれど、人気があるからなのかどれも高額すぎて手が伸びない。輸入盤レコードってちょっと前まで3,000円くらいだったのに、いまは平気で5,000円以上なので手が伸びにくいのだ。
生産数増えてるのに、どうして価格が倍くらいにまでなってしまったのだろう?
円安のせいだけ???
アナログ盤ファンとしては悲しい限り。