宇部市の銀天街に、アルファという洋楽専門のレコード店があった。
アルファと言っても、YMOなどが所属していたレーベルの話ではない。
小さなレコード店だったけれど、そのお店が私の人生を導いたのかもしれない…
80年代半ば、UKロックにどハマりしていた私は、アルファでNew Orderのレコードを買っていた。
日本盤しか在庫ないので、日本コロムビア盤だ。
それは今でも、僕の宝である。
店長?のお兄さんが、よく話しかけてくれたし、商品を開封して試聴させてくれたりした。
ポスターをとっておいて何も言わずにくれたりしていたので、よく通っていた。
12inchシングルも、宇部のど田舎でほぼ需要ないはずなのに、買うことができた。
おかげで、私はその日本の発売元レーベル「日本コロムビア」に新卒で入社した。
以来去年の12月(2ヶ月前)までの33年間、会社は変わりながらも、音楽業界第一線で仕事をし続けることができた。
New Orderのイギリス本国のレーベルは「Factory」で、私が音楽業界最後の13年間を過ごした日本のドメスティック・レーベルの社名にも「Factory」が入っていた。
全ては奇遇のようで、必然なのかもしれない。
アルファ(レーベル)も、日本コロムビア時代に受託で販売していたし、なにかと縁はあるものだ。
1989年発売のこの「technique」の頃にはすでに東京の大学に通っていたので、持っているのはUK輸入盤。
こうしたその時には気づかない一つ一つの点が、後々になって不可思議な程につながってくる。
だからこそ、人間のつながりは雑にできない。
「人の世ってそういう風にできている」
なんの科学的根拠もないけれど、経験則的に私はそう信じて生きている。
これまで社名を書くことは絶対的に避けていたけれど、東京を離れて長野県に移住し、
音楽業界から足を洗って極めて一般的なサラリーマン職になったので、初めて記事内に記載した。
決してセミリタイアではない。
リボーン、私は生きながらにして転生したに過ぎないと思っている。
次のステージがいろいろなつながりの中でどう展開していくのか?、楽しみでしかない。