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天上天下唯我独尊

Q Acoustics 3050iのまとめ(エイジングを終えて…)

Qアコースティクスのフロアスタンディング、3050iを設置して9日目になった。

よく言われるエイジング100時間というのにはまだ達していないけれど、50時間以上は鳴らして音がようやくまとまった感じがするので、まとめのレビュー。

 

この前に使っていたのが6年ちょい使用したB&Wのブックシェルフ型CM1S2なので、どうしてもそれとの比較になる。

 

アンプは、ラックスマン L-505uX。

 

<高音域>

鳴っていないわけではない。十分に分離している。

しかし、量感が足りない。そして、ハイハットあたりの最高音域あたりが出ていない。

ゆえに、B&W比で煌びやかさが足りない。

それが柔らかくて包まれるような全体像に貢献しているのは否定しないけれど、あともう少し12khz以上の音をクリアにしてくれないと、どうしても物足りなさが残る。

このスピーカー最大の弱点だと思う。

 

<中音域>

ここが、このスピーカーの最高の長所。

とにかく、滑らかで美しい。

特に、ボーカルはまるで眼前で歌ってくれているかのようにリアルだ。

B&W CM1S2は、後述するように低音に分厚さがあり超高音域も煌びやかだ。

分析的に楽器音を聴くにはうってつけ。

しかし、そのせいでボーカルが負けてしまう傾向にある。

高音のシャカシャカと低音のズンズンがまず耳に入ってきて、ボーカルの繊細さが損なわれる。

その点、この3050iはこの中音域が真っ先に耳に届く。

ヴォーカルものを心地良く聴くという需要に対しては、Q Acousticsの勝利だろう。

 

<低音域>

B&Wが小音量でも負けない分厚い低音を出すのに対し、Qアコースティクスはどこかふんわりとしている。

しかし量感は抜群で、包み込まれるような気持ちよさがある。

B&Wは、前から押されてくるような低音で、広がりはあまり感じられない。

しかし、小音量でも痩せないのはB&W。

Q Acousticsは、小音量だと低音が急激に量感不足になり、軽い音になる。

高音域も、全く聞こえてこなくなる。

ゆえに、50dB以下の小音量ではラックスマンのラウドネスボタンを押すことがマストになる。

 

<総評>

付属のスパイクにはゴム製のカバーが用意されているが、これは絶対に使ってはダメ。

音がどうこう以前に、指で軽く押しただけでスピーカーがぐらつく不安定さ。

金属製のインシュレイター(スパイク受け)を別途購入して下に敷いたら全くぐらつかず、安定を得ることができた。

同時に、ボヤついていた低音域が締まって、低音域に対する不満は解消された。

ただし、比較的大きな筐体なので、60dB以上の音量でないと音にまとまりができない。

深夜に50dB程度で流していても、ラウドネスなしのソースダイレクトで美音を奏でるB&Wには及ばない点だ。

 

ただ、ある程度の音量(60dB以上)で鳴らした時の包み込まれるような音場の広さとまろやかさは、B&Wにはない素晴らしい特徴。

最近のハイファイ機器は、デジタル音源をアナログのように鳴らすこちらの傾向の方が主流だ。

B&Wは、デジタル音源をデジタルらしく鳴らしてしまうので、分析的に聴くには最高だが、BGM的に楽しむのにはあまり向いていない。

その点、このQ Acousticsは高音域のゆるさゆえにデジタル音源をソフトに鳴らし、なんだか高級だぞっていうまろやかさがある。

ずっと聴いていても疲れない。

しかし、分析的に聴こうとすると、どうしても高音域の煌びやかさが不足していることが気になってしまう。

ゆえに、サランネットは常に外している。少しでも高音を減衰させたくないからだ。

 

<結論>

小音量できれいな音楽を鳴らしたいなら、B&Wのブックシェルフにしておいた方が幸せだろう。

JBLの60万円クラスの最新スピーカーあたりに比べても、小音量では高音・低音の質はもとよりまとまりも上だ。

 

だが、もし60dB以上のある程度の音量で音楽を楽しみたいのならQ Acousticsだ。

音場の広さとボーカルのリアルさ、そして押し付けがましくない低音とやわらかい高音のおかげで、「なんだかハイファイだぞ!」と感じるゆとりのあるサウンドが楽しめる。

 

価格としては小さなB&Wブックシェルフの方が大きなQ Acousticsより1.5倍高額で、その差を感じる繊細さと低音の押し出し感を持っている。

だが、Q Acoustics3050iがダメかというとそんなことはなく、1ペア10万円未満の価格にして立派にハイファイしていると言い切れる音質だ。

 

DALI のOBELON5と最後まで悩んだことを最後に付け加えておく。

おそらく、高音はDALIの方が綺麗だろう。僕が信用しているWhat HifiでもOBERON5の方が評価は上だ。

 

だが、サイズがQアコースティクスよりかなり小さくて、直角で丸みのないデザインが面白くない。

どうせフロアスタンディング型買うなら、ある程度の大きさの方が見栄えがいい。

Qアコースティクスが1本の重量17.8kgでDALIが10kgなので、重さは半分強しかない。

なんか、そこもネガティブポイントだった。

さらに、ウッドコーンの色合いや汚てるように見える不均等な質感も、好きではない。

だって、サランネットは外して聴くのだもの。カッコ良いことは大事。

 

とどめに、DALIはデンマークでQ Acousticsはイギリスのブランドって点。

イギリス、好きなもので…

 

まあ、最終的にはデザインとブランドイメージで決めたということ。

 

もし試聴して音で選ぶなら、同価格帯のDALIになっていた可能性は高いと思う。


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