「過ぎ去りし夏の日」

1943年の夏、僕の少年時代の思い出はすべてこの夏に結びつく。

戦時中のアメリカで、体質的に前線に出られない主人公の父親は
ドイツ人捕虜収容所の所長をしていた。

父親が息子のために貰ってきたシェパードの子犬はすぐに彼になついたが、
あとで目に障害があることが発覚する。

父親は健康な子犬と交換してもらおうとするが、あまりにも情が移りすぎていた。

少年にとって、その子犬は唯一の存在だった。

目の見えない犬をどうしてしつけたらいいのかわからない日が続いたが、
捕虜の中の獣医が教えてくれた。

犬の訓練を通して彼らの交流は深まっていく・・・父親には内緒で。

この話は主人公の少年が大人になる戦後まで続く。

私が好んで読む本は動物が多く登場する。

自分自身も動物が好きだから。

この物語を読みながら、主人公の少年と自分の姿がどこかで重なり合った。

自分が大人になった時に、過ぎ去った「大切な時間」を振り返ってみたくなる。

そしてその時間をもう一度取り戻すべく旅に出る。

少年は長じて特派員としてドイツに派遣される。

「やあ、君が来るのをずっと待っていたんだよ」老獣医師がいう。

彼は「大切な時間」を取り戻した。

私もそんな旅にでてみたいと思う。

大人が変われば・・・？

「大人が変われば子供も変わる」・・・っていったい何が言いたいんだろう？

大人は自分が変わろうともせずに、子供に押し付けていない？

最近、いじめで自殺する子供が増えてきたけど、子供だけの問題じゃないでしょ。

大人がやっていることを、そのまま子供が踏襲しているにすぎないと思いませんか？

子供のいじめよりも、大人の嫌がらせの方が、はるかに陰湿で陰険だと思うのですけど。

純粋な子供がそれをそっくり真似しているってことわからないのかな。

それでいて、子供だけのせいにされたんじゃ、子供はかわいそうだよね。

大人が変われば・・・って、もう遅いって。

よほどのことがない限り、人生観、価値観、その他、変わんないでしょ。