1年前の3月18日、カナダの国境が閉鎖されました。
世界1長い国境を共有するアメリカも含め、カナダ市民、永住者以外の往来が禁止されてから1年。
普通の訪問者にとっては「あ〜カナダに今は行けないのかぁ」と、毎年ドサッとやって来るロッキー観光、ナイヤガラ観光の団体日本人旅行客が姿を消しました。
語学学校が上を下への大騒ぎ。
生徒が入国出来なくなりました。
その後、どんどん潰れた語学学校は、カナダの似非留学事情を大きく塗り替える結果となっています。
そして、高校留学生
かなりの親子が警告を無視し、何とかカナダに留まろうと、この異常事態でも「うちの子は大丈夫なはず」「待っていたら何とかなる」といういかにも日本的輪廻のような非合理的考えで、ぐずぐず。
ちょうど国境が閉鎖された後の春休みも、帰るに帰れず、日本から親が駆けつけることも叶わず、急激に緊張が高まるカナダ社会からのプレッシャーを一身に受け始めました。
ホストかも外出を禁止され、牢獄のような生活と、授業はすべて付け焼き刃のオンライン。
あたふたするカナダの学校は、留学生個々の事情など配慮する余裕もなく、ケアもなし。
とうとう堪りかね、高校留学生の帰国ラッシュが始まったのが3月終わりから4月始めにかけてです。
多くの相談を受けました。
「今のカナダには高校留学生の場所はない」と懸命な判断をした親子と、大切な高校教育をどう続けるかを模索しました。
日本の編入先に少しでも高い能力を見せるための特訓、精神的な支え励ましなど、立ち往生する親子を助けるのに夜遅くまで頑張った時期です。
嬉しいことに、1年経ち、無事に希望する高校に編入を果たした生徒たちは、見違えるように落ち着いた学習をしています。
ある東京のインターナショナルスクールに編入した生徒。
カナダのカリキュラムを使う高校では、何と、カナダ・アルバータ州元留学先の高校であてがわれていた内容よりもはるかに充実した勉強が出来ています。
留学生だけを十把一絡げに集めたESLなるものの無意味さが改めて浮き彫りになったと思います。
日本のインターナショナルスクールの方がはるかに実力をつけてくれる、これです。
それでもカナダに残留を選んだ高校留学生たちは、残念ながら高い高い学費に見合う教育を受けることはかないませんでした。
9月からの恐る恐るの対面授業にも制限ばかり。
授業時間も毎日ではなかったり、短い時間だったり、また内容も上っ面をはしょるだけの授業で、大切な高校教育の基本はすっぽり抜け落ちてしまいました。
特に英語の不自由な留学生は、大きなマイナスを被ったまま、まだまだ感染が広がり続けるカナダで窮屈・孤独な日々を送っています。
カナダの高校で友達を作って、活動をいっぱいして。。。。 そんな日は訪れることはありませんでした。
そして、急激に高まったアジア人への憎悪
もともと政治的に相反するカナダと中国の関係が悪化の一途をたどっている際に、報復として中国がカナダ市民2名を拘束し何の説明もなく2年間監獄に入れたまま。
そこに中国発のコロナウイルス。
カナダ人の反中国感情が一気に表に出てきました。
カナダの、特に中国人攻撃をする白人たちは、日本人も韓国人も、東南アジア人も区別が出来ません。
みんな中国人とみなしてのひどい攻撃が今日も続いています。
アジアの顔をしているだけで、外出も買い物もよほど気をつけないといつどんな攻撃に巻き込まれるか、戦々恐々のカナダ社会の実態です。
こんな思いをしてまで、カナダの高校にしがみつく理由は何でしょうか。
未だに謎です。
さて、日本からの大学留学生たち
念を押しておきますが、ここで述べる「大学留学生」とは、語学学校やら、カレッジのESLやらに来る日本人のことではありません。
英語のレベルも高くTOEFL/IELTSなどのスコアをクリアし、日本の高校での成績も良く、最初から直接カナダの大学に入学を許可された日本人のことです。
カナダの大学は本気でそんな留学生を守ろうとしてくれました。
例えば、昨年5月から正式入学する予定だった高校卒業ホヤホヤの生徒。
大学からは、Deferralのオファーをもらい、払った費用をそっくりそのまま9月の秋学期に送ることにしました。
その間、日本で待機。
待機時間を有効に使うため、待っている間にもやる気を持ち続けるため、カナダのオンライン専門大学(かなりレベルは高いです)のコース履修をしました。
待っている間に、大学の授業を経験し、自分のどこが認められ、どこをどう今後伸ばす必要があるかを確かめるために。
もちろん、コースに合格すれば、その単位は正式入学後卒業に向けての単位数として数えられます。
私とパートナーのRobertの二人、一生懸命コース内容へのアカデミックサポートをしました。
私もRobertも、カナダの大学の内容には精通していますので、強力なサポートが出来ました。
そして、9月の秋学期。
まだまだ荒れ狂うコロナに阻まれ、もう一学期入学を伸ばすことに。
大学も、もちろん色々なアドバイスと共に大協力をしてくれました。
晴れてカナダに来たのが年末、クリスマスの時期。
隔離を経験し、その後もどこにも行けず、大学授業はオンライン。
9月からはやっと対面授業が再開しそうな大学を楽しみに、画面越しの勉強に少しでもやる気をと、私も励まし続ける毎日です。
大学学位取得後のPost Graduate Work Permitも、オンライン履修の単位が有効となり、母国で授業を受ける選択肢も広がりました。
さぁ、ここから8月までどんなプランで進めて行くか、たくさんの裏技を使いながらアドバイスしているところです。
カナダの国は、パンデミック中もこれからも世界からの優秀な移民を大歓迎する方針は変えることがありませんでした。
どんどん移民法を変更し、大学留学生を本気でケアしているのもそれが理由です。
勉強にやって来た優秀な頭脳が、卒業後もカナダに留まり、カナダ社会に貢献してくれることを期待してるからです。
パンデミック中の2020年でも、なんと184,000名の新永住移民を受け入れたカナダ。
この数字は過去最低とのことですが、いやいや、素晴らしいです。
パンデミックでもカナダに来たかった、いや、パンデミックだからカナダに来たかったのかなと。
2020年10月には、カナダ市民・永住者に加え、政府認定の教育機関に通学予定の留学生も入国可能になりましたね。
ところが、何を勘違いしたのか「高校留学も出来ますよ〜」とエージェントがパンデミック真っ最中のカナダに日本の未成年を連れこんだり、大学レベルになど全く届く可能性のない「日本ではろくな大学に行けない」語学学校希望者を必死で入国させようとしています。
カナダの政府の方針は、「優秀でカナダの大学の学位を取れるレベルの留学生。将来カナダと日本を結んで両方の社会に貢献出来る留学生」を歓迎するということです。
移民はパンデミック後の経済復活への鍵と捉えているカナダです。
これからカナダを目指す日本のみなさん。
そこを絶対勘違いしないこと、です。
カナダにいらっしゃい!
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