世界の混乱に乗じた留学詐欺が横行しています。
特に多いのが、私立カレッジとは名ばかりの語学学校の学費詐欺、そして留学エージェントの費用過大請求と返還拒否です。
思い当たる方は、法的手段を取られることをお勧めします。
幸いにもまだカモになっていない方は、これが今の留学の現実であると肝に銘じ、賢明な選択をなさって下さい。
1.ケベック州語学学校の学費詐欺
多数の犠牲者が出ているのはインド人留学生ですが、もともとインド人留学生の割合はカナダでも驚愕するほど多いので目立っているのだと思います。
日本人でやられた方がいましたら、泣き寝入りせず法的手段を使うことをお勧めします。
ケベック州にあるM College of Canada他10の語学学校がこの詐欺の大元です。
残念ながら、カナダの規制では正式な州立カレッジでなくともCollegeを名乗ることが許されています。
日本からリサーチしたり、エージェントの勧めるまま留学を決めてしまう場合には、区別がつきませんので要注意です。
例えば、ある留学生の場合、M CollegeのBusiness Administrationに申込み、1年間の授業料$15,000を支払いました。
このような私立語学学校は申し込めば誰でも入学出来ますので、英語圏以外の国からの留学生は簡単にカモにされます。
Universityなどの正式な教育機関への入学には、高い英語運用能力と高校までのトップクラスの成績が必要ですので、ハードルが高いです。
そこでエージェントの悪魔の囁きに騙されるわけです。
「カナダのカレッジは誰でも入れますよぉ」
しかし、誰でも入学出来ても、いくら高い授業料を払っても、本物っぽい名前のついたプログラムでも、いわゆる巷の語学学校です。
そんな学校のBusiness Administration終了で、カナダでの雇用は期待出来ません。
あぁあ〜。
授業料を送金した後、学生ビザを申請しましたが待てど暮らせど許可がおりませんでした。
後でわかったことですが、このM Collegeの学生リクルート方法に問題があり、政府から調査されていたのが理由でビザ発行が止まっていました。
カナダ留学先とビザ申請とをエージェントに丸投げした日本の方の中にも「申請したのに学生ビザがなかなかおりない。エージェントに聞いても煮え切らない答えしか返ってこない。驚いたことに、結局ビザがおりた時には留学先まで変えられていた。」ということがかなりの件数起こりました。
恐らく、リベート率は高いが、カナダ政府基準に従わない学校を最初からエージェントは勧めていたのかも知れません。
ビザのオンライン申請には本人の署名は必要ありませんので、それを悪用したエージェントのずるい手口でしょう。
ビザはその後のカナダでの生活の根幹をなす大切な許可書類です。
絶対にエージェントに丸投げしないこと。
自分ですべての申請内容を把握しておくこと、です。
さて、不正なM Collegeに$15,000を払ってしまった学生。
待てど暮せどビザがおりません。
この語学学校にはビザスポンサーの資格がなかったということですので当たり前ですが、学生本人にはその事実は知らされていませんでした。
とうとう、申込みをキャンセルすることにしました。
M Collegeは$7,300のみを6〜8週間以内に返金すると言いましたが、待つこと半年。
未だ返金はありません。
このM Collegeだけでも、120名の学生が同じ被害にあいました。
同じくケベックのCDEカレッジでも同様のことが起こっています。
その他にも多数あり、現在ケベックの10のカレッジと名前をつけた語学学校が州政府の調査を受けており、留学生の受入資格を剥奪されました。
他の州も同様だと思いますが、まだ表には出てきていません。
同じような返金詐欺が日本の高校留学エージェントにも多発したのが2021年の特徴です。
ありとあらゆる嘘を並べ立て、親を脅し「席を押さえます」「割引は今だけ」「サマースクールを今申し込まないと」、取れるだけ巻き上げました。
話が違いすぎると、キャンセルした後も返金要求には「来週には」「来月には」と先延ばし。
たまりかねた親が法的手段に出ると、急におどおどと「返します」だそうです。
それでも実際の返金までには相当日数がかかるか、雲隠れされた、と聞いています。
同じ詐欺にあっている方も多いと観察しています。
(エージェント評判・口コミサイトでも同じエージェントを頻繁に目にします。)
このような酷いエージェントにも泣き寝入りした親が多いと感じています。
それがここまでこんなエージェントがのさばってしまった原因のひとつでしょうね。
騙された方は声をあげ、子供の将来を食い物にする悪質なエージェントに立ち向かってほしいと思います。
本日のニュースはカナダの主要MediaCBCへの学生本人からの訴えにより取り上げられたものです。
カナダのMediaは遠い外国からやって来る留学生に相当公平な味方となってくれます。
悪質なエージェントについても、本気で取り上げてくれるはずですので、勇気を持って行動して下さい。
Mediaへの訴えにお手伝いが必要な場合はお知らせ下さい。
カナダ現地より出来る限りヘルプさせていただきます。
CBCはこんな注意も呼びかけています。
例え正式な大学、州立カレッジに入学許可された留学生でも、現在もビザ発給にはかなりの時間を要しています。
それにより、入学時期が大幅に遅れたりする事態に立ち往生する人が多いことも認識して下さい。
教育の機会喪失、教育開始の遅れがかなり深刻な現状です。
ケベック政府のコメントも冷たいですが、論理的です。
Because the college is private, it is ultimately the students' responsibility to get back their money.
「私立のカレッジ(語学学校)とのやりとりでは、返金要求は結局学生本人の責任となります。(政府は関与しません)」
カナダへの高校留学エージェントから騙された方にも厳しい政府コメントです。
エージェントに払込み、返金がない場合は、自分で請求するか、法的手段を使うかになります。
しかし、日本の高校留学エージェント詐欺にひとつだけ朗報。
送り込む先として紹介したのは、カナダの公的教育機関(School District)のはず。(私立を希望した方は残念ですが)
それは各州政府が管轄していますので、政府に訴え出ることが可能です。
何らかの動きはしてくれると期待したいです。
もし、動きが鈍い場合は、今回の件のようにカナダのMediaの協力を要請することは効果的な方法だと思います。
世界の混沌をいいことに学生の大切な教育・将来までも食い物にする詐欺は許すことは出来ません。
長年カナダから伝えている「留学の実態」ますます劣化していることに留意して下さい。
泣き寝入りせず立ち上がる方を応援しています。
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