一昨日、ヴァイオリンとパイプオルガンの合せ練習でした。
白いチャペルの天井を仰ぎながら、ステンドグラスに囲まれて、私とスタッフの二人だけが各席におりました。
何と贅沢な時間でしょうか。 二人の為のコンサートの様で。 惚れ惚れと聴き入っておりました。
手前みそですが、本当に彼女達(ヴァイオリン杉本真弓とオルガニスト坂戸真美)の音楽は美しいです。
初めての共演ですが、息も合っていて、最高のものを作り上げようと云う意思がその場の雰囲気に緊張感を醸し出すようでした。
私は先日も思いましたが、演奏家ってアスリートの様ですね。
舞台は一瞬。その時の為に、毎日自分への挑戦で、手を抜かず真摯に究めて行った結果のみが現れる。そして結果が評価される。
厳しい世界だと、緊張感のある空気の中に、その真摯さを感じ取りました。
杉本真弓さんはこの数年ご出演頂いておりますが、私が惚れ込んでいる演奏家の一人です。
芸術に向かうまじめな姿勢、人間性などが技術の上に出てきて、彼女のヴァイオリンの音色を作っていると思っています。
世の中で言われる、名器を持った有名な方々より、私は素直に彼女の音色、音楽の方に感動します。
作曲者の思いを組んで演奏しようと鍛錬している姿は美しいものでもあります。
そうそう、名器と言えば、彼女のヴァイオリンも逸話がありまして、ヴァイオリンを求めてアメリカのシカゴだかNYだかまで行ったそうです。しかし、断念して帰国したものの、やはり諦めきれずにまた渡米して求めたヴァイオリンなのだそうです。
前に、失礼ですけど、どのくらいするものかを尋ねた時がありました。
その時に、オケの人の楽器はみな四桁でしょうとお聞きし、タマゲタものです。
そう言えば、みなさん、絶対楽器を肌身離さずですよね。
杉本さんはヴァイオリンをいくつかお持ちで、演奏会によって時々変えられます。同じ曲を弾かれても、楽器が違うと全然音色が違うのでまた驚きでした。
リラックスした演奏会の時に「どちらが良いですか」と聞かれ、「この曲はこちらの方が」などと答えた覚えがあります。曲と楽器の相性もあるのだと思いました。
いや~今度のコンサートではどちらの楽器を使われるのかしら・・・。
名器と言えども、名器ゆえに、使いこなせなければ、じゃじゃ馬馴らしのようで、普通の楽器を弾くよりもひどい結果にもなるそうです。
みなさま、これからはそんな事も頭の隅にあって、お聴きになられると、また違った楽しさがあるかもしれませんね。
どうぞたっぷり、杉本真弓さんのヴァイオリンをお聴きくださいませ。
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